「金鉱山」に殺到する女性たちの何もない生活 経済的自由やチャンスがそこにはある

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若すぎる年齢での結婚や教育を受けていないことなどはハンディキャップになるが、未婚の若い女性たちにとって採鉱は、数カ月から数年後に自立した暮らしができる転換点となり得る。マリでは近年ますます離婚が一般的になりつつあるが、採掘は離婚女性を極貧から救うチャンスを与えるのである。

正しい方向への大きな一歩ではあるが、採鉱は女性たちにとって完璧な解決策ではない。マリの金鉱はまだまだ男社会だ。鉱石は素手で30m近い深さの縦坑から取り出される。女性たちはこれらの仕事と、これに伴うより大きな収入から例外なく締め出される。

500ドル以上稼げることもある

実際に、女性たちはフリーランサーで、鉱石から金を取り出す機械まで頭にのせて運ぶたらい10個のうち、1つが自分たちの取り分となる。それでもなお、幸運な「待遇」により500ドル以稼げることもある。家でピーナツや果物を売ることで得る1ドル、2ドルとは大違いだ。

多くの女性にとって、採鉱を通してカネを稼ぐことは男性にコントロールされた、一族支配の土地所有の図式からある程度解放してくれる。アフリカの農業を後押ししようとするグローバルな試みは、このような生活上の矛盾を単純化しすぎる傾向にある。それはたとえば、アフリカの田舎でやっていくのに必用な日常的な政治的やりくりを変えることに失敗する法令など、効果のない方策によってもたらされる。

アフリカの女性が本当に必要としているのは、政府や援助提供者になぜそんなに多くの女性が採鉱に携わり、それを将来どう役立てようとしているかに気づいてもらうことである。

ケニエバのような、明らかに発展展望と女性の選択肢が欠如しているような地域では、採掘が最も確度の高い経済的自由と将来のチャンスへの糸口なのである。こうした理由から、われわれもこの話を少し違った視点で見てみるべきなのだ。

著者のリーフ・ブロッテム氏は、アイオワ州グリネル・カレッジの国際開発学部の准教授。このコラムは同氏個人の見解に基づいている。
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