eスポーツ大会の高額賞金が「グレー」な理由 立ちはだかる法律の「壁」をクリアできるか
つまりゴルフを一例にして、プロ化をしなければ景品表示法の規制を逃れることができない、と言及するのは言い過ぎといえるでしょう。
JeSUはすべてのゲームタイトルにプロライセンスの発行をしているわけではなく、公認タイトルとして認定したゲームだけにプロライセンスを発行しています。JeSU発足時の公認タイトルは、『ウイニングイレブン2018』『コール オブ デューティ ワールドウォーII』『ストリートファイターV アーケードエディション』『鉄拳7』『パズル&ドラゴンズ』『モンスターストライク』の6タイトルです。
これ以外にも随時増やしていくとしていますが、JeSUが認定しているタイトル以外には高額賞金を出せない、もしくは大会自体を開いていないかというと、そうではありません。
たとえば、『LEAGUE OF LEGENDS』や『OVERWATCH』などの大会を運営するJCGという団体があります。そこでは特にプロライセンスの発行はしていませんが、高額賞金をかけたeスポーツ大会はすでに開催しています。
2018年1月に日本で初開催された「EVO Japan」では、『ストリートファイターV アーケードエディション』や『鉄拳7』などの対戦格闘ゲーム7タイトルによる大会が開催されましたが、そのうち5タイトルが賞金のある大会で、優勝賞金は60万円となっていました。高額といえる額ではないかもしれませんが、確実に景品表示法の上限である10万円を超えた金額です。これもJeSUのプロライセンスにはかかわっていないようです。
プロゲーマーから懸念の声も…
そもそも、プロ化をすればクリアできるのか、プロ化をしたところで日本で高額賞金を受け取るのは難しいのか。それすら明白になっていません。
プロライセンスの発行についての基準もあいまいなところがあり、海外選手が日本の大会に参加する場合のライセンス発行についての規定もあいまいです。
すでに企業からスポンサードされているプロゲーマーの中には、プロライセンスの発行について、選手不在で決められたことを懸念している人もいるようです。プロスポーツとしてとらえるのであれば、観客に見せることを前提としているわけですが、現時点ではその観客も置き去りになっていると言わざるをえません。今からでも議論をオープンにしていくべきではないでしょうか。
ようやく芽吹いてきたeスポーツの芽を摘むようなことにならないことを願う次第です。
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