「小泉小委員会」は結局、何を議論したのか? アドバイザー・石川善樹氏が振り返る
……とはいえ、何だったのでしょうか(笑)?! 一言で言うには、あまりに色んな議論をしたのですが、要するに「これからの時代における個人と社会のありかたを、日本人としてどうとらえなおすのか?」ということが主たるテーマだったのだと思います。
たとえば、22世紀にはおそらく、「人生100年時代」が到来しているでしょうと。そうなったときに、個人はどのように生きていて、国としてどのような社会設計が求められるのだろうか、といったようなことを議論しました。
しかし! ここでちょっと想像してみてほしいんですが、いったいどこぞの誰が、「人生100時代の国家戦略」を構想しえると思いますか?
……おそらく、誰であっても不可能ですよね。なぜなら、どれほど優秀ですばらしい人であっても、「限界」があるからです。そして、自分たちはどのような限界に囲まれているのかを、ことあるごとに突き付けられたのが、今回の500日の議論だったと思います。
その限界がどのようなものであったのかを知ることは、おそらく小泉小委員会の本質を理解するうえで役立つと思うので、その話をこれからしたいと思います。
まず先に結論から言っておきますが、「3つの本質的な限界」があったように思います。
限界 ② 人は何をなすか?
限界 ③ 人は何を望みえるか?
……といわれても「なんのこっちゃ?!」と混乱されると思うので、1つずつお話しします。
人は何を知りえるか?(過去、現在、未来)
まず、「人は何を知りえるか?」という限界についてお話ししましょう。
わかりやすい話でいうと、今回は若手議員を中心として議論を進めたのですが、当然ながらベテラン議員と比べて、《過去》に関する情報の限界があります。それゆえ議論しようとしても、ベテラン議員から「そんなことは10年前にさんざん議論したことだ」と言われてしまうこともありました。
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