「小泉小委員会」は結局、何を議論したのか? アドバイザー・石川善樹氏が振り返る
この3人にはそれぞれ違ったリーダーシップがありますし、順番に総理大臣になってもらいたいほど非常に期待してもいます。そして同時に、リーダーとしてもっと育っていってもらいたいと願っています。
最近、僕が興味を持っていることの1つに、「国際社会におけるリーダーシップのありかたとは何だろうか?」という問いがあります。世界のさまざまなリーダーの発言や立ち居振る舞いを見ている中で、圧倒的に輝いて見えるのは、中国アリババ社の創業者であるジャック・マーです。
ジャック・マーのすごさを認識したのは、米国のビル・クリントン元大統領との対談映像です。何がすごいって、政治家よりもよっぽど政治家らしく、魅力的なんです。それこそ、ジャック・マーの話を聞いていると、彼個人はもちろんのこと、アリババ社、さらには中国のことまで好きにさせるような、愛にあふれたすばらしさがあります。ああいう存在感を、次世代を担う若手政治家の方々にも身に付けていただきたいと切に思うわけです。
たとえば、政治家の話を聞いて、その政治家本人を好きになるというくらいではまだまだでしょう。はたしてジャック・マーのように、日本そのものを好きにさせることができる政治家がどれほど日本にいるだろうか?
もちろん、「がんばれー」と外から応援するだけで、リーダーが育つわけではありません。僕たち国民が、そのように育ててあげるという感覚でいなければならないと思っています。それが、最後に述べる「政治家こそ働き方改革を」という話です。
政治家こそ働き方改革を
今、国民の政治に対する要求が、あまりにもフワッとしすぎていると感じます。「進次郎もまだまだだなあ」なんて言って一丁前の気分になっていたり、「投票したい政治家がいません」と文句だけを並べたり。しかし、そうではなく、具体的な要求を僕ら国民の側から出していかなければなりません。
たとえば僕は、日本の政治家は、国会のいすに長時間縛りつけられるというルールをやめたほうがいいと思っています。今年1月のダボス会議に首相が出席しなかったのは、先進国では日本だけです。理由は、「国会会期中のため」。
ダボス会議は、ただ偉い人が集まって楽しく話しているだけではありません。各国の権限のある人が一堂に会するからこそ、効率よく交渉ができる場でもある。そこに出席できないなんて、あまりに生産性が低すぎます。実際、国会にしばりつけられる時間で見ると、日本の総理は圧倒的に長いそうです。
そのような意味で、働き方改革、時間の使い方改革がいちばん必要なのは、政治家ではないでしょうか。票を託した政治家が、いまどのように時間を使っているのか、本当はどういう時間の使い方をしてもらいたいのか、もっと僕たち国民が理解し、改善要求を出していくべき問題だと思います。
……さて、偉そうなことをたくさん述べてきましたが、小泉小委員会の本質がどこにあったのか、読者の皆さんに少しでも伝わっているとうれしいです。最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
(構成:泉美木蘭)
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