安倍首相は、なぜメルカリを大絶賛したのか

政府はグローバル展開する企業の活躍を期待

記念撮影(写真:経済産業省)

ベンチャーと大企業の連携に対して授与される経済産業大臣賞には、ソラコムとKDDIが選ばれました。

ソラコムは、センサーやロボットなどのデバイスをインターネットにつなげるデータ通信SIMカードとそのプラットフォームを提供する企業。簡単に設定でき、使った分だけ従量課金することで、いろいろなモノを迅速にインターネットにつなぐことができます。まさにIoTのインフラを提供している企業。アマゾンウェブサービスの立ち上げにもかかわった玉川憲社長は、世界標準のサービスを目指しています。

KDDIは、スタートアップと連携事業を創造するKDDI∞Labo(ムゲンラボ)や、ファンドを使ってのベンチャー投資など積極的にオープンイノベーションを推進してきました。ソラコムとは、IoT回線サービスを共同開発し、密接な協業を続けています。2017年8月にM&AによりソラコムがKDDIの連結子会社となったことは大きな話題となりました。このようなM&Aによる新事業展開は、ベンチャーが大企業の経営資源を生かしつつ、独立性をもって機動的にグローバル進出するひとつのモデルと言えます。

経済産業大臣賞受賞のビザスクのブースを見る安倍首相(写真:首相官邸ホームページ)

経済産業大臣賞として、活躍する女性起業家を表彰する女性起業家賞にはビザスクの端羽英子社長が選ばれました。ライフイベントやキャリアステージに合わせてワークスタイルを変化させてきた自らの経験も活かしつつ、課題を持つ企業やビジネスパーソン(=クライアント)と、専門的な知識や経験を持つビジネスパーソン(=アドバイザー)をマッチングするスキルシェアサービスを提供しています。

通常の人材マッチングではなく、1時間の電話・対面会議を設定する「スポットコンサル」という手法で、国内6万人超、海外8000人超の登録アドバイザーとともに事業を展開。働き方改革の時代に新しいワークスタイルを提案する企業と言えます。

農林水産大臣賞にルートレック・ネットワークス

農業ベンチャーを表彰する農林水産大臣賞は、ルートレック・ネットワークス(佐々木伸一社長)。農業の現場において潅水(かんすい)や施肥は多大な労力を要する作業。これを独自のIoT基盤とAI技術、そして熟練農業家のノウハウの活用により自動化。「経験と勘による農業」から「データによる農業」を目指します。

新規開発した「ゼロアグリ」のシステムでは、潅水施肥作業を自動化し、利用農家において、90%の労働時間短縮、50%の節水・減肥、30%の増収を実現。今後は水資源の枯渇や多施肥による環境課題を抱えるアジア諸国への展開も目指します。

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読売新聞主筆として93歳の今も、社論をまとめる要の役割を果たしている渡邉恒雄氏。安倍首相と定期的に会食するなど、なお政治のキーマンでもある。歴代の首相を知る同氏は現在の政治とメディアをどう見ているのか。本誌編集長がインタビュー。