安倍首相は、なぜメルカリを大絶賛したのか 政府はグローバル展開する企業の活躍を期待

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審査委員会特別賞を受賞したPKSHA Technologyの展示ブースで質問をする安倍首相(写真:首相官邸ホームページ)

審査委員会において優秀企業と認められた企業に授与される審査委員会特別賞には、マネーフォワード(辻庸介社長CEO)が選定。誰でも簡単に無料で続けられる自動家計簿・資産管理サービスで、家計や資産を一元管理し、人々のおカネの不安をなくす第一歩となることを目指しています。また、金融機関が他社サービスとの連携を目的にAPIを公開する「Open Bank API」構想を掲げ、複数の金融機関や大企業との共同開発を推進しています。

同じく、PKSHA Technology(上野山勝也代表取締役)も審査委員会特別賞を受賞。自然言語処理、画像認識、機械学習/深層学習技術にかかわるソリューションを提供。コールセンターの接客対応の自動化・半自動化、店頭カメラの自動認識機能など「各種のソフトウエア・ハードウエアを知能化する技術」の研究開発と社会実装を進めています。

エコシステムの更なる拡大を期待

今回の受賞企業の審査について審査委員長の松田修一早稲田大学名誉教授は語ります。

「ベンチャー企業振興が政策のど真ん中にきて5年が経過しました。そして、リスクマネーがベンチャー投資に向かうことにより、ベンチャーエコシステムが右肩上がりで成長しています。今回は、非常に多くのベンチャー企業から応募がありました。そして上位に評価された企業について、審査委員が喧々諤々、議論しました。正直、甲乙付けがたい面もありました。審査では、どういうビジョンを持っていてどんな社会にしたいのか、新規性やチャレンジ性はどうか、そして事業が社会に向けてどこまで拡張性があるのかということをテーマに、大いに話し合った結果、6社の企業が受賞されました。今回、受賞された企業を追いかける方々も相当多く日本で出始めていると思い、これからの日本の未来が明るくなってきているのではないかという気がしています」

表彰式のスピーチで、安倍首相は受賞企業全体に次のようにエールを送りました。

「新しいイノベーションを積極的に取り込むことで、革新的なビジネスモデルに挑戦する。その先頭に立つのは、皆さんのような意欲あふれるベンチャー企業をおいて他にはありません。トヨタもソニーも、最初はベンチャー企業でありました。世の中に新しい価値を提供する。その決意の下に、次々と最先端のイノベーションにチャレンジすることで、世界に冠たる大企業へと成長したわけであります。是非、皆さんには、これからも果敢にチャレンジを続けていただきたい。そしてどうか、日本経済を牽引するような企業へと成長していただきたいと期待しています」(首相官邸ホームページ「総理の一日」から抜粋)

今年のベンチャー大賞は過去最多の応募企業から、グローバルに展開する有望な企業群が選ばれました。受賞企業に続く企業群の厚みも増しています。日本のベンチャーエコシステムの拡大は着実に進んでおり、政策支援の現場でもさらに応援を強化したいと考えています。

石井 芳明 経済産業省 新規事業調整官

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いしい よしあき / Yoshiaki Ishii

経済産業省 経済産業政策局 新規産業室 新規事業調整官。1965年生まれ。1987年、岡山大学法学部法学科卒業。1996年、カリフォルニア大学バークレー校 留学(公共政策 単位履修生)。2000年、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科卒業(国際経営学修士)。2012年、早稲田大学大学院商学研究科卒業(商学博士)。1987年、通商産業省(現・経済産業省)入省。中小企業・ベンチャー企業政策、産業技術政策、地域振興政策等に従事。1997年、同省工業技術院国際研究協力課、2000年、中小企業庁経営支援課、2003年、経済産業政策局産業組織課、2006年、中小企業基盤整備機構資金支援課、2007年、同ファンド企画課、2008年、大田区産業経済部産業振興課課長、2011年、地域経済産業グループ地域経済産業政策課を経て、2012年から現職。

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