45歳男性が語った「20年路上生活」の深刻理由 一度の失敗で親に家を追い出された
障害がある人々がホームレスになるとき。
上の図でわかるように、その障害が主要因となっているのではありません。1章で紹介したケースと変わらず、家族という「資産」を欠くこと、または家族が「資産」となり得ないこと。それが大きく影響してるのです。
今は大丈夫でも…障害者の高齢化とホームレス問題
では、今家族という「資産」を持つ、障害のある方々は安心できるのでしょうか。
国が5年に1度行っている在宅障害者の実態調査(生活のしづらさなどに関する調査)。最新のデータである2011年の調査に、気になるデータがありました。65歳未満の人に日中の過ごし方を尋ねたところ、最も多かったのは「家庭内で過ごしている」との回答。複数回答が可能な設問ですが、約4割の人がこう答えています。
もちろん、障害があるからといって全員支援が必要というわけではありません。ですが、こうした障害者が、親やきょうだいといった家族を亡くした後どう生活していくのか。
極端な話に聞こえるかもしれませんが、高齢化が進む中で障害者、中でも知的障害、精神障害がある人が貧困やホームレス状態に陥らないためにも、社会全体で考える必要があります。