身長100cmで「2児の母」となった女性の人生観

早稲田大学で学び、2度の留学にも挑んだ

當間さんによると、夏子さんは友達が多く、いつも人の輪の中心にいたそうだ。

「英語の先生にすごいトキメイて、“キャー、ヒデキー、ヤバイ”みたいな感じで、うるさかったですよ(笑)。先生にも遠慮しないで何でも言うし、台風の渦巻きのようにみんなを巻き込んで、いろいろ前に進めてくれる人でした。

なっちゃんが首里高校にいたことで、生徒たちが得たものは大きいと思います。障害があるとかないとか関係なく、人って何でもできるんだなと思いました

修学旅行は真冬の北海道に行った。教師たちは「雪の上を車イスで行けるか」など悩んだが、同級生が「抱っこすればいい」と、みんなで後押ししてくれた。

大学進学で初めてのひとり暮らし

「チョー、楽しかった!」

早稲田大学第一文学部に入学して上京。初めてのひとり暮らしの感想を聞くと、夏子さんのテンションは一気に上がった。

沖縄では車の移動が多いため手動の車イスを家族や友人に押してもらっていたが、東京に来て、初めて電動車イスを使用した。

「ひとりでどこにでも行けるのがすっごいうれしくって。無駄にコンビニをハシゴとかしてて。アハハハハ。親は心配して、毎日のように電話してきたけど、何も困らなかったです」

簡単に言うが、18歳でひとり立ちするのは健常者でも大変だ。父の進さんも最後は根負けしたそうだ。

「高校進学もそうでしたが、どう説得しても無理でした。姉たちが東京の大学に行ったので、自分も当然行くものだと思っていて、もう好きなとおりやりなさいと言うしかなかったです」

実際にどうやって家事をこなしたのか。夏子さんに聞くといちばん面倒だったのは洗濯だという。当時は縦型の洗濯機しかなく、手が届かない。棒で洗濯物を取り出し、低い位置に干したが、時間は2倍かかった。生活用品は工夫して下に置いた。電球を替える、布団を干すなど、できないことは友人に頼んだ。

大学でカンボジアの孤児を支援するNGOサークルに加入。カンボジアに行って孤児と交流し、英語指導、衛生指導などをした(写真:週刊女性PRIME)

大学ではカンボジアの孤児を支援するNGOサークルに加入。カンボジアに行って孤児に英語を教えたり、遊んだり。国内では資金集めのチャリティーコンサートを開いたり、JICAの勉強会に出たり。イベントでは率先して、いろいろな役目を買って出た。

そのサークルで、ひとりの男性と出会う。気さくで明るく、さわやかな彼に夢中になった。

当時の様子をサークル仲間の田中由記さん(35)が教えてくれた。

「なっちゃんは肉食系ですよ(笑)。何をするにしても、遊ぶときはまず彼に声をかけてからほかの人も誘い、脇から固めていくような、それは見事なアプローチでした」

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