それでも智美さんは突き進んだ。婚活サイトで出会った医者のうち、4歳年上の昭雄さん(仮名)を本気で好きになったのだ。医者として優秀ではないことは当時から見抜いていたが、かわいげのある人柄で「ほあんとしたクマさん」みたいな外見をしていたという。智美さんは35歳までの10年間を彼に捧げた。
「もちろん結婚したくて、早く子どもが欲しくて、3回ぐらい強行突破を試みました。結婚式場に連れて行ったり、うちの母親に会わせたり……。でも、そのたびに『ごめん。結婚はできない』と言われてしまいました。彼の家族が反対することが目に見えていたからです」
智美さんによると、医者家系である昭雄さんの家族は「看護師はお手伝いさん」という認識が根強く、息子には開業医などの家柄の娘しか釣り合わないと思っていたようだ。実際、智美さんと別れた後で昭雄さんは上司でもある教授の紹介で開業医の娘とお見合いして、結婚した。
「彼と別れてから気づいたんです。医者以外にもお金持ちはいる、ということに」
行動力と社交性は高い智美さん。40対40の大規模合コンを一緒に企画した経営者、雄太さん(仮名)と意気投合。彼も4歳年上で、離婚歴があるが自他ともに認めるイケメンである。医者や経営者といった人たちと付き合うコツはあるのだろうか。
「彼らの話を聞いてうなずくだけではなく、自分が言いたいことははっきり言うこと、かな。この子は面白い!と思ってもらえることがあります」
雄太さんは介護事業にも手を広げようとしており、看護師である智美さんをビジネスパートナーとしても認めていたようだ。智美さんは雄太さんの会社に入り、付き合っていることは隠しながら働き始めた。
「でも、すぐに彼のダメさがわかりました。ほかの社員は私と彼の関係を知らないので、いろんなうわさを耳に入れてくれるんです。彼はあまりに女癖が悪くて、女性社員にも手を出していました。会社の運営も全然うまくいっていなくて、優秀な人から順に辞めてしまう。私、男性を見る目がないんだなとようやくわかりました」
強気な条件で結婚相手を探す
2年弱で智美さんも退社。同時に雄太さんとの恋愛も終わった。智美さんは反省しつつも、結婚をあきらめたわけではない。再び婚活サイトのひとつYahoo!パートナーに登録し、結婚相手を探すことにした。年収700万円以上で年齢は自分と同じか年下の男性、というかなり強気な条件である。
ここで小さな奇跡が起こる。大手メーカーに勤務する9歳年下の和幸さん(仮名)が智美さんにアプローチして来たのだ。ちなみに、和幸さんの年収は現在900万円を超えている。
「後から聞いたら、私の年齢を勘違いしていて9歳も年上とは思っていなかったそうです。彼は内気な性格なので出会い系サイトにはまったく向いていないと思うのですが、どうして登録したのでしょうか。彼との出会いに私は運を使い果たしました。ご先祖様に感謝するしかありません」
無料会員登録はこちら
ログインはこちら