牛丼3社、流通系の攻勢受け苦しい闘い 足元の対応は三者三様ながらいずれもその場しのぎ
まず、牛丼チェーンの「すき家」などを展開するゼンショーホールディングスは、今上期(2013年4~9月期)の連結営業利益を期初見通しの99億円から前年同期比52%減の43億円になると修正発表。さらに通期の営業利益見通しも188億円から83億円と半減以下、一転減益となる見通しとした。
減収のゼンショー、値下げが利益圧迫の吉野家
子会社のスーパー「マルヤ」や米国で展開するファミレスの業績不振などもあるが、最大の下方修正要因は、稼ぎ頭である「すき家」の苦戦。すき家の今上期の既存店売上高は前年同期比で92%(期初計画は98.9%)と低迷。新規出店も55店と、計画していた76店に至らなかった。
ゼンショーは11月12日の第2四半期決算発表時に上期決算の詳細や今後の具体的な挽回策について説明するとしている。直近では顧客の回復を狙い11月15日からは5日間限定で牛丼並盛を280円から250円に値下げし、その他の牛丼類も全品30円引きで提供する。とはいえ、値下げは確実に利益を圧迫する。長期的かつ効果的な策が打ち出せなければ厳しい状況は続きそうだ。
一方、吉野家ホールディングスは今上期(2013年3~8月期)の既存店売上高を唯一プラスに転じさせた。ただし、これは値下げの効果。今年4月に牛丼並み盛り価格を380円から280円に引き下げて客数が増加、既存店売上高の上期累計は前年同期比7.1%増となった。
上期の連結売上高も867億円と前年同期比で7%増を達成。「価格帯の変更で再びお客様が戻ってきて吉野家という選択肢を再認識していただいた」と河村泰貴・吉野家ホールディングス社長は強調する。
しかし、代償は大きかった。食材価格の高止まりに加え、値下げをしたことで吉野家の原価率は41.3%と前年同期比で4.1%増となり、結果、上期の連結営業利益は7億円、前期比半減した格好。
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