牛丼3社、流通系の攻勢受け苦しい闘い 足元の対応は三者三様ながらいずれもその場しのぎ

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併せて通期の営業利益見通しも30億円から16億円に、ほぼ半減の下方修正。「足元のコメの値下がりは織り込んでおらず、少しかための数字かもしれない」(河村社長)とはいうが、下期に入り既存店売上高の前年同月比は9月が98.3%、10月が102.2%と上期の値下げ効果の勢いがすでに鈍化してきており、楽観できない。

新店や改装の抑制で利益を捻出した松屋

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「正直、新店を出すにはリスクが高いと判断」と松屋フーズの緑川社長

ゼンショーと吉野家の上期営業利益が減益となる一方、増益を達成したのが業界3位の松屋フーズ。既存店は苦戦しており、今上期(2013年4~9月期)の売上高は386億円と前年同期比1%増にとどまったが、営業利益は前年同期比48.4%増の6.3億円となった。

しかしながら、最大の増益要因は当初計画していた新規出店や店舗の改装を抑制したことだ。「今上期累計の既存店売上高が前年同期の95.5%と苦戦するなか、正直、新店を出すにはリスクが高いと判断した」と緑川源治・松屋フーズ社長は漏らす。

通期の出店計画は新規出店25店(期初計画50店)、撤退18店(同10店)と大幅に抑制。店舗改装も期初の62店の計画から10店に下方修正した。

コスト圧縮により利益は確保し、通期見通しは期初計画の売上高821億円、営業利益18.5億円から、売上高792億円(前年同期比0.1%増)、営業利益21億円(10%増)に上方修正した。とはいえ、出店が停滞することは来期以降の成長に影を落とす。

いずれも、その場しのぎの弥縫策にとどまっている牛丼各3社。価格、出店戦略とも手探り状態が続くなか、下期に説得力のある浮揚策を打ち出せるのだろうか。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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