不動産投資で儲けられない人が陥る3つの罠 空前のブームに潜む空室リスクを見落とすな
実際、北海道から九州まで日本全国のアパートの家賃を見ていくと、単身者向けのワンルーム物件では3万円を切ることも珍しくありません。最安値で調べてみると、なんと2万円以下の物件がありました。
しかも、2万円台であっても風呂・トイレが付いてエアコンも完備されています。これは決して特別な部屋ではなく、新幹線が停車する駅の徒歩圏であっても、このような家賃なのです。これでは、もはやアパート経営は成り立ちません。
家賃を下げると客付けされにくくなる
さらに言えば、入居募集を行う客付け業者にとっても、低家賃の物件はやっかいものなのです。
客付けというのは、入居希望者に部屋を案内して、成約すれば仲介手数料が手に入るというビジネスです。たとえば、家賃が2万円の物件では、仲介手数料1カ月だとすると、客付け業者には2万円しか入ってきません。しかし、10万円の物件であれば、10万円の手数料が入ってくるわけです。
同じ10万円を稼ぐにしても、家賃2万円の部屋では5人の入居者を見つけて5回契約を行う必要がありますが、これが10万円の部屋であれば、1人の入居者を見つけて1回契約を行うだけで良いのです。
客付け業者も商売ですから、儲けになる部屋を優先して客付けしていくのは当然なことになります。
もちろん、それでも家賃2万円の部屋のほうが圧倒的に決まりやすいのであれば、薄利多売が成り立つかもしれませんが、実際には家賃が低い物件というのは、古い物件、汚れが目立つ物件、不人気物件ということがほとんどです。そうなると、入居者から選ばれにくいため、結局、客付け業者も積極的に扱いたがりません。
つまり、空室を埋めようと家賃を下げれば下げるほど、客付けされにくくなり、結果、さらに空室が埋まりにくくなってしまうという皮肉な現象が起こってしまうのです。
このように、「家賃を安くすれば何とかなるだろう」と安易に考え、客付けが難しいアパートを購入すると、負の連鎖が止まらなくなります。
想定した家賃収入が得られない中で、毎月のローン返済に追われ、キャッシュフローどころか完全に持ち出しに。こうなると、自分の体力が続くかぎり持ち出しを続けなければならなくなり、最終的には破綻……という最悪のシナリオになることすらありえるのです。
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