不動産投資で儲けられない人が陥る3つの罠 空前のブームに潜む空室リスクを見落とすな

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実際、国土交通省が7月31日に発表した2017年上半期(1〜6月)の新設住宅着工戸数を見ると、前年同期比2.1%増の47万3206戸と3年連続のプラスとなっています。その内訳を見ると、アパートやマンションを建設する「貸家」が前年比4.7%増の20万1580戸となっており、いかに「貸家」の新築が過熱しているかがわかります。

なぜ「貸家」の新築が増えているのかと言えば、2015年の相続税の改正が原因です。ただ土地で持っているだけでは多額の相続税がかかりますが、賃貸用の不動産を建てれば節税効果を狙えます。

そこで、多くのハウスメーカーが地主さんに対して、「アパートを建てたほうがいいですよ」と営業をして、その結果、どんな田舎に行っても同じようなメーカー製のアパートが建ち並ぶ様を見るようになっているのです。

ただ、いくら相続税の評価額が下がったところで、賃貸経営に行き詰まれば意味がありません。結局のところ、アパートを経営し、リスクを負うのは大家さんである投資家そのものなのです。

ハウスメーカーの営業マンの仕事は「アパートを売ること」「建築すること」です。はっきり言ってしまえば、物件が出来上がった後、私たち大家さんが成功しようが失敗しようが、関係ありません。

そのことをきちんと理解して、彼らの言うことを鵜呑みにするのではなく、「リスクを負うのは自分自身なのだ」と認識すること。それが、不動産投資で成功するための第一歩と言えます。

(2)「家賃を下げれば何とかなる」と思ってしまう

家賃を下げても空室が埋まらない現実

不動産投資でいちばん怖いのは、空室です。空室が埋まらなければ、その部屋からの収入はゼロになってしまうからです。

それでは、どうすれば空室を避けられるのか? 多くのオーナーが間違えてしまうのが、「家賃を下げれば空室は埋まる」と考えてしまうことです。特に「中古アパートを安く買えば、安い家賃でも採算が取れる」というのは、不動産投資の典型的な失敗パターンでしょう。安い中古物件には、値段が安いだけの理由があります。

家賃を下げると、周りの競合物件も同調して下げてきて、過当競争に陥ってしまいます。家賃を下げることで入居者の質が下がり、家賃滞納が発生し、より手間がかかることにもなりがちです。

どのような物件が選ばれるのかを具体的に言えば、より便利な場所にある、よりキレイで、使いやすい間取り、充実した設備、豊富な収納、日当たりが良いといった、住環境の良い物件になります。

そして、それ以外の選ばれない物件は、さらに家賃を下げることになり、それこそ底なしの値下げ競争になってしまうのです。

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