「シンガポールはつまらない」自虐動画の全貌 短期間の滞在では決して見えない本当の味

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1日3食ホーカーで食べても飽きない(筆者撮影)

特筆すべきはその安さとうまさ。1日3食ホーカーで食べても飽きないほど、それぞれの屋台で提供される料理はオリジナリティにあふれる。ホーカーの店主は英語が通じない場合も多いが、身振り手振りで注文は可能、スマート国家シンガポールらしく、最近ではQRコードで支払い可能な屋台も出現している。そんなギャップもある。

観光ガイドに掲載されているモデルルートだけを巡れば、他の東南アジアの国々に比べて、雑多感や人間くささを味わうことはひょっとしたら難しいかもしれない。

しかし、少し目線を落として庶民の暮らしを垣間見ることのできるスポットに足を運び、建国に至るまでの歴史に思いを馳せてみると、そこに広がる風景にも面白味が沸いてくる。建国して52年、少しずつ文化人も集い始め、新たな発想を貪欲に迎え入れて花開く芸術の芽吹きを感じられる。

最先端のイノベーションを日常で体験

イノベーションが急速に進むこの国家では、政府が柔軟に規制緩和を進め、各国企業の新たな技術の“実証実験”の場となっていることもあり、さまざまな先端技術やサービスに、日常生活や旅行中でも触れられる。

高級車の自動販売機(筆者撮影)

世界一の空港と称されるチャンギ国際空港では、生体認証システムで無人化が進み、長蛇の列知らずのスムーズな出入国を体験。もちろん、配車サービスの「Uber」や「Grab」も広く一般に普及しており、手軽に利用可能だ。街中では話題のシェアサイクルを至る所で目にする。中国発の「Mobike」に「Ofo」、シンガポール発の「obike」など、アプリをダウンロードして簡単な手続きを行えばすぐに街中を快適に移動ができる。

さらには、フェラーリやランボルギーニなどの「高級自動車の自動販売機」も話題を呼んでいる。まるで缶ジュースを買うように画面に表示された車の写真を選択すると、たった2分、自動昇降機で実物が降りてくる。

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