米国で浮上した「北朝鮮攻撃シナリオ」の中身 朝鮮半島の緊張は収まっていない
筆者自身は、国家機密に通じているわけではないが、複数の信頼度の高い情報源の話を聞くかぎり、早期の軍事行動ということはなさそうである。国務省の高官たちは、引き続き外交的解決の可能性があるという信念を表し、韓国が北朝鮮との対話を行うのを試みるのを支援している。
高官たちは、韓国の当局者に軍事的選択は圧力をかける作戦の一部にすぎないと伝えている。ペンス副大統領でさえもレックス・ティラーソン国務長官に同調し、駆け引きにおいて北朝鮮との対話を行う可能性を残したままにしている。北朝鮮との対話が実現する可能性はとても低いが、高官たちは、制裁の圧力を弱めたり、安全保障同盟の土台を揺るがすことがないのであれば、北朝鮮政府と対話することに反対していない、と文政権に伝えている。
「予防型ピンポイント攻撃」は選択肢に入っている
筆者は先週、米国の複数の高官たちと話す機会があった。彼らは、韓国と日本における米軍とハワイの太平洋軍の幹部であり、横須賀の第7艦隊司令部を訪れていた。少なくとも表面上は、高レベルの警戒態勢に備えている様子はなかった。
第7艦隊で最も強力な軍艦、原子力空母のロナルド・レーガンは横須賀港に停泊し、メンテナンスを受けていた。韓国の上級司令官たちは、オリンピック期間中延期された共同演習の再開に向けた準備を行っており、米韓同盟は揺るぎのないものだとの自信を滲ませていた。
また、今のところ、韓国に駐屯する米軍の家族や米高官とその家族、民間人を韓国から避難させる、いわゆるNEO (非戦闘員救出作戦)に向けた準備をしている兆候も見られない。
現時点でも、ピンポイント攻撃より現実的な「予防型ピンポイント攻撃」の選択肢は検討されている。いくつかあるシナリオの1つは次のようなものだ。
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