リコー、背水の陣で挑む「脱コピー機依存」 ペーパーレス化が進む中、新たな事業を模索

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2月6日に5年間の成長戦略を発表したリコー。2017年4月に就任した山下良則社長の手腕が問われる(撮影:尾形文繁)

「”挑戦”をキーワードに成長に軸足を移し、一丸となって高い目標に挑戦していく」。事務機器大手・リコー山下良則社長は力強くこう語った。

2月6日、同社は82回目の創立記念日に「挑戦」と銘打った5年間の成長戦略を発表した。2022年度に売上高2兆3000億円(2016年度は2兆0288億円)、営業利益1850億円(同338億円)という目標を掲げた。営業利益は2007年度に記録した過去最高の1815億円を上回る水準を目指す。

カギを握る2つの事業

目標達成に向け、山下社長が期待を寄せる事業が2つある。1つは紙の中でもチラシや本の印刷、壁紙や布、さらには3Dプリンターでの造型まで広げた商用印刷・産業印刷。もう1つは自社の事務機器と、電子黒板など顧客のオフィス内の他の機器とを連携させるデジタルビジネスだ。

リコーの売上高の約半分を複合機などの事務機器が占める(写真:リコー)

2022年度までにはそれぞれの事業で1000億円のM&A(企業の買収・合併)を計画する。キヤノンなど同業他社に比べると資金力は劣るものの、必要に応じて資金調達を行う構えだ。

こうした事業に力を入れるのはなぜか。背景にあるのが、リコーの売上高の半分を占める事務機器の市場が縮小していることだ。先進国を中心にペーパーレス化が進むほか、印刷単価の下落も響く。利益面も厳しく、北米などで拡大してきた販路が固定費として重くのしかかってきた。

今後も市場の回復は期待できず、同社は2022年度までに、事務機器事業で年率約3%の落ち込みを予想している。そこで新たな収益柱の確立を急いでいるというわけだ。

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