消費増税の決定間際に確認したTANKAN 大企業の業況判断はリーマンショック後で最高の水準に
安倍首相にとってそれは心強い結果だったはずだ。消費増税を決めるうえで、最終確認をする経済指標として位置づけていた日本銀行の短観(全国企業短期経済観測調査)。1日に発表された短観(9月調査)は、大企業・製造業の業況判断がプラス12と、6月調査のプラス4から大幅に上昇した。3四半期連続の改善となり、2007年12月のプラス19以来の水準で、08年9月のリーマンショック以後ではもっとも高い。
全規模全産業ベースでもプラス2と07年12月以来のプラスに転じた。大企業では28業種中、19業種の業況判断が改善し、中小企業でも28業種中、20業種が改善方向となるなど、おしなべて業況判断が改善している(業況判断DIは、「良い」「さほど良くない」「悪い」という選択肢の中から企業に回答してもらい、「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いたもの)。
年4回公表される日銀短観だが、このタイミングで安倍首相が最終確認する指標としは、もっともふさわしい指標だろう。みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「企業活動の実態を調査したもので、データ量が多く、時系列の蓄積も豊富。統計の”王様”といってもいい」と話す。現在の短観は1974年から始まり、今回の9月調査で158回目。海外でも”TANKAN”として知られている。
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