安倍政権の財政規律を判定する3つの試金石 市場動向を読む(債券・金利)
21日投開票の参議院選挙で自民・公明の与党が圧勝し、衆参のねじれ国会が解消することになった。次の参院選は2016年夏で、衆議院議員の任期満了も同年末。安倍晋三首相の自民党総裁としての任期切れも2年以上先である。安倍自公政権は長期安定化する可能性が高まった。政府と与党は山積する政策課題にじっくり取り組むことができよう。“決められる政治”の復活が期待される。
市場は選挙前、“自公大勝による政権・政策運営の保守路線シフト”を懸念していたが、それはどうやら杞憂のようだ。憲法改正に前向きな自民党と日本維新の会、みんなの党の3党を合わせても、改憲発議に必要な3分の2(162)議席以上に達しなかったからである。安倍政権は経済政策を引き続き優先していかざるを得ない。
中期財政計画の高すぎる目標を達成する道筋は?
実際、安倍首相は昨日午後の記者会見で、憲法改正については『腰を落ち着けてじっくりと進めていきたい』と述べるにとどめる一方、経済に関しては『デフレからの脱却に集中』『日本再興戦略に盛り込んだ政策をどんどん実行に移す』などと強調した。
心配性の債券市場にとって予断が許されないのは、安倍政権の財政規律と財政政策の行方である。安倍首相は元来が「上げ潮派」だけに、それらをめぐる不透明感を禁じ得ない。これから秋にかけ、次の3つの財政関連イベントに対して債券市場の警戒感がくすぶる。
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