消費増税の決定間際に確認したTANKAN 大企業の業況判断はリーマンショック後で最高の水準に

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 統計の王様といえるのは、アンケート調査からも裏付けられる。少し古くなるが、日本経団連が04年に会員企業と主要な会員シンクタンク234社を対象に、景気関連統計72本の利用状況をアンケート実施。利用頻度の高い統計として1位は日銀短観の業況判断、2位は四半期別GDP速報(内閣府)、3位は消費者物価指数(総務省)だった。

豊富なデータはビジネスパーソンも必見?

また、総合研究開発機構が08年にエコノミスト34名に経済統計の評価を調査したところ、短期的な景気変動や景気動向を把握するための統計として、もっとも評価が高かったのが、日銀短観と鉱工業生産・出荷・在庫指数(経済産業省)の二つ。また、長期的な経済トレンドを把握する統計として、鉱工業生産・出荷・在庫指数に次いで評価が高かったのが日銀短観、貿易統計、消費者物価指数の3つだった。

日銀の金融政策運営上、短観の動向は重要だ。

日銀短観の調査対象企業数は全国合計で1万社を超し、その回答率も高い(9月調査の回答率は99.3%)。9月調査の場合、回答期間は8月27日から9月30日まで。それを10月1日に発表するだけに、速報性の高さも特徴のひとつだ(今回の回答基準日は9月10日に設定しており、全体の7割弱がこの日までに回答している)。

 数ある調査項目の中でもっとも注目度が高いのは業況判断だが、経済動向を問う「判断項目」のほかにも、売上高や経常利益、設備投資計画など計数項目の調査も豊富だ。一連の項目は業種別でデータがあるだけに、「ビジネスパーソンであれば、自分が属している業界や関連業種の数字を定期的にウォッチするだけも、十分に利用価値があるのでは」(みずほ証券の上野氏)という。

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