先日、2020年東京五輪開催が決定しました。みなさまもご存じのように、五輪招致のプレゼンですばらしい効果を発揮したのが、滝川クリステルさんの「お・も・て・な・し」という言葉でした。
「おもてなし」の文化は日本の得意とするところであり、まさにお家芸。さて、この「おもてなし」で2012年世界一になった日本人がいることをご存じですか?
彼の名前は、宮崎辰さん。世界で最も多くの星を獲得しているジョエル・ロブション氏が監修する「ジョエル・ロブション」(東京都・恵比寿)で働く、メートル・ドテルです。メートル・ドテルは、日本では給仕長と訳されることが多く、その仕事はまだあまり知られていませんが、フランスではシェフと同格と言われる存在です。ジョエル・ロブション氏は「世紀最高の料理人」として知られており、彼の作る料理はすばらしいですが、この料理をあますことなく堪能しレストランでの時間を最高のものにするのが、メーテル・ドテルの仕事です。彼が世界一の称号を勝ち得たのは、1961年より続く伝統あるサービス世界コンクール「クープ・ジョルジュ・バティスト」。世界14カ国のコンクールで選出された代表たちが集まり、サービスの腕を競い合います。
前回、「社長顔出し会社は株価が上がる?」の記事で、まず見えなかったものを見えるようにすることが大事という記事を書きましたが、見えるようにした後で意識していただきたいことがあります。今回はそちらをお伝えしていきたいと思います。
世界一のサービスマン
宮崎さんを初めて見たのはNHKの”プロフェッショナル仕事の流儀”(2013年4月1日)の放送でした。番組は、“サービス世界一”として紹介されていた宮崎さんが、ジョエル・ロブションというすばらしい舞台で現場を切り盛りし、接客もする彼の姿を映し出していました。もちろん番組は「おもてなし」にフォーカスを当てられており、どのように来店客にレストランでのよい時間を過ごしてもらうかを真剣に考える彼の姿をまとめていました。
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