「世界一のおもてなし」をする男の”装い” 世界一のサービスマンの称号を持つ日本人

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最高級の料理や飲物、設備を提供するレストランの中でお客様の満足は実現されて当たり前。その最高の料理や飲物だけでは、お客様の満足は完成しません。それらを提供する素晴らしいサービスがあってこそ、お客様の体験が「ああ、今日このレストランに来れてよかった」「よい時間を過ごせた。楽しめた」といったものになるのです。

世界最高峰のサービスを誇る「ジョエル・ロブション」

最高級の「おもてなし」を真剣に考え、「接客とは、”愛”です」と言い切る彼は、お客様から支えてもらったこともたくさんあったとのこと。お客様と「心を開き合う」ことを大切にし、日々、自らを高めながら、あたたかい接客をされているのです。

360度意識できる、美しい男

この放送を見たとき、私は彼の身のこなしがとても美しいと思い、見入ってしまいました。わたしが感動したのは、彼が360度美しかったことです。サービス業ですから、お客様から見られるのは正面の顔だけではありません。後ろ姿も美しく、斜めから見たときも美しいのです。つねに見られる仕事であるからこそ、いつ、どの確度から見ても美しくされているのだと感心しました。

メートル・ドテルには、幅広い技量が求められます。料理をお客様にサーブするため、目の前で切り分けたり、美しく盛り付けたり、時にはカクテルやコーヒーも目の前で提供します。お客様が心地よく時間を過ごせるように、その手さばきは美しく、料理や飲物への期待をたかめてくれます。提供時の一挙手一投足がとても美しいのです。また、レストランの司令塔として、スタッフの状況を把握し、お客様のお食事のスピードなども把握する彼は、数メートル離れたところにも意識を向けます。実際に、お客様からは数メートル離れたところから呼ばれることがあるでしょう。そしてその倍、目に触れられているはずです。

サービス業でなければ、このように意識されることはないかもしれません。しかし、ここには取引やプレゼンの場での立ち居振る舞いの確かなヒントが隠されています。

あなたと会う人は大体3メートル離れている

一般的な会社でも、日々取引先でのプレゼン、自社内でのセミナーや会議など、人前で話す機会があると思います。そのプレゼンや会議の一現場を思い描いてみてください。プロジェクターやホワイトボードを前にして、あなたがプレゼンをするとします。机の配列は、コの字型、口型、セミナー型、いろいろありますが、前の席の人とも距離は3メートルほど空いていませんか? 席の後ろのほうともなると、あなたとの距離は10メートルほどあるのではないでしょうか。そうしたシチュエーションのとき、あなたが接する多くの人は、“3メートル以上離れたあなたの姿”を見ています。ということは、あなたの装いは頭からつま先までのトータルとして見られているのです。

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