毒親に苦しんだ46歳女性を解き放った結婚 40代半ばでの結婚はこんなにも自由だ

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医療福祉関連の専門学校では、同じく苦労して進学した仲間たちと親しくなった。就職先のメーカーでは好きな人もできた。でも、精神的にも経済的にも余裕がなく、毎日を生きていくだけで「いっぱいいっぱい」。告白して交際することなど考えられなかった。

「親からは『この家を出ていけ。でも、電車ですぐに行ける範囲に住め』とわけのわからない命令をされていました。用事があるときだけ便利に使いたいからでしょう。30代前半までは何度もお見合い話を持ってきました。会ってしまったら私からは絶対断れないお見合いです。ひたすら世間体を気にする人たちなので、無難な形で娘を片付けたかったのでしょう。私の人生をなんだと思っているのでしょうか」

思い出し怒りをする康子さん。それでも1人暮らしは自由だ。20代後半で趣味のスポーツを通じて初めての恋人ができた。30歳から5年間ほどは、アメリカに住んでいる3歳上の日本人と交際。「マイレージオタク」の彼は月に何度も来日するので、遠距離であることはほとんど感じなかった。

「その頃、親が勝手に見合い話を進めていました。慌てて恋人がいることを伝えたところ、『一度会わせろ』と命令。初対面の彼に『この子をアメリカに連れていくのは困る』なんて言って……」

一緒に過ごすパートナーが欲しい

康子さんは結婚をしたかったわけではない。自分の育った家庭を思い返すと、結婚生活に何の憧れも持てないからだ。1人で暮らすことに快適さを覚えている。でも、たまに会って一緒に過ごすパートナーは欲しい。30代後半からは「出会い系サイト」を使って恋人を探していた。

「3カ月で3000円弱の有料サービスを利用しました。毎日のように10人ぐらいの候補が自動的に出てくる仕組みで、20人ぐらいと会えたと思います。もちろん、変な人もいます。会費を払っているので何らかの形で回収しなくちゃ、と焦っている男性が多いように感じました。すぐに会いたがり、積極的だったくせに2度目のお誘いがなかったり。ちぐはぐな人が多かったです」

その中でもバツイチで4歳年上の隆太さん(仮名)の誠実さは光っていた。1カ月半ほどメールで丁寧なやりとりした後に初デートをし、その日のうちに「楽しかった。また会いたい」と連絡をくれた。やがて交際が始まり、半年後には隆太さんは自分の賃貸マンションを解約し、康子さんの分譲マンションに引っ越してきた。1人暮らしが好きな康子さんはなぜ受け入れられたのだろうか。

「彼は口数が少ないけれどユニークで男気があります。仕事はシステムエンジニアで、お客さんの要望をしっかり聞く業務で鍛えられているせいなのか、話していてもザラザラしないんです。それでもプロポーズされたときはびっくりしました。私は見た目も性格も女性らしくないからです。男の人って女性の『いい匂い』が好きですよね。そんな匂いはしない私でいいのかな、と思いました」

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