「iPhone中毒」対策は、アップルの責任なのか 大株主が公開書簡で提案したこととは?
たとえば、2人の子どもがいる家庭でGoogle Wi-Fiを導入し、それぞれのデバイスに名前をつけておけば、Google Wi-Fiアプリの上で、そのデバイスを簡単に特定できる。
子どものデバイスをすべて1つのグループにまとめ、夜9時以降はネットへのアクセスを禁止する、というスケジュールを設定しておくことができる。もちろん子どもにそのことを伝えておき、ルールの中で利用することを学んでもらうことも重要だが、夜中までビデオを見たり、友達とチャットをすることを防げる可能性が高まる。
また、食事中は大人も含めて、あらゆるデバイスのアクセスを禁止するという家庭ルールを決めた場合でも、Google Wi-Fiアプリからボタン1つで実現することができる。しかも、1時間後に自動的に復帰させることができるため、オンラインにし忘れた、ということもない。
アップルが販売するWi-Fiルーター「AirMac」の設定アプリにも同様のアクセス制御の機能は用意されているが、スマホアプリから手軽にスケジュールを組み、またいっせいに切断・1時間後の復帰、といった操作に対応するGoogleの製品のほうが、家庭のルールを細かく設定でき、こうした用途に向いている。
「家族単位」は2018年のテーマか
今回の公開書簡以前から、アップルは家族単位でアップル製品を活用してもらう取り組みを始めていた。
iCloudでは家族メンバーを設定することで、共有カレンダーや写真アルバムを自動的に作ることができ、App StoreやiTunesで購入したアプリや音楽、映画なども、家族が再購入することなく利用できる。また2017年に配信されたiOS 11からは、iCloud追加ストレージも分け合えるようになった。
購読型音楽サービスApple Musicでは、サービス当初から、月額980円の個人プランに加えて月額1480円のファミリープランを用意し、家族6人まで登録して利用することができる。
このことから、アップルが家族でのiPhone利用を促進し、強固なユーザー基盤の1つとして活用していることが透けて見える。であればこそ、家族の中で生じるiPhoneやiPadを使ううえでの問題点、すなわちスマホ中毒やスクリーンタイム削減への対策は、今年すぐにでも取り組むべき課題だ。
幸いなことに、iCloudの設定には、「家族」という単位がすでに存在している。この機能を拡張しながら、コンテンツのアクセスやデバイス利用時間の管理などの機能を追加することで、ジョナサン・アイブ氏がいう「使いすぎ」という間違った使い方を避けるデザインを実現していくことができるだろう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら