このような言動は、親の一方的な思いにほかならず、愛情という名を借りた子どもへの支配です。子どもは、新しい環境で、必死に自分の居場所を確立しようとしています。そのような折に、親の心配までさせるのはやめましょう。
そうしないと、これ以上心配を掛けてはいけないと、子どもが自分のつらさや心配事を親に話さなくなり、本当につらいときでも1人で抱え込んでしまう危険性があります。実際、親があんなに悲しんでいるのに、自分だけ楽しい生活を送っていてよいのだろうかと、せっかく得た職を手放してしまうケースもあるのです。そんな親孝行の子どもの人生を奪うことがないようにしてほしいと思います。
【距離感を保つ鉄則その2】
多少のことでは動じずに、楽しくやっていることを伝え、子どもが自分の生活に目を向けられるようにするべき。
「新しい人間関係」を構築する
このような傾向は、「子どもがすべて」と子どもに依存している親に顕著に見られますが、自分の年齢とともに、仕事や交友関係が狭まってくる時期と重なり、今までさほどでもなかった親でも、急に子どもに執着を始めてしまうこともあります。その結果、子どもを、まるで所有物のような感覚でコントロールしようとします。
子どもが意に反する行動をしようものなら、「そんな子どもに育てたつもりはない」「どうして変わってしまったのか」などと責め立てます。
離れたからといって、親子関係が解消されたわけではありません。形が変わっただけです。戸惑いは大きくエネルギーが必要かと思いますが、新しい形を模索していく必要があります。それには、親が親としてではなく、1人の人間として、自分自身の生活を楽しむことが大切です。今までできなかったことを始めてみる、面倒くさがらずに友人の誘いに応えて外に出てみるなど、自分の環境を確立しましょう。心身ともに元気が出ないときは難しいかもしれませんが、子どもとの距離感をうまく保っていくためには、それぞれの生活が充実していることが大切なのです。
【距離感を保つ鉄則その3】
新しい生活に必死になじもうとしている子どもの環境に強引に入り込まず、自分の新しい環境を探すことに力を注ぐ。
いつまでも実家に依存する中年の子どもも増え、親が子どもの代わりに婚活をする代理婚活などもはやりつつある昨今、子どもの“自立のチャンス”を潰さないように、巣立ちの苦しみに真っ向から立ち向かってください。子どもが安心して親離れするために必要なのは、「親が自分の人生を楽しんでいる」ことなのですから。
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