遠藤保仁が「体力B判定」でも活躍できたワケ サッカー界の天才は日々何を考えているのか

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仕事でも人生でも「先を読む力」がある人は、誰よりも早くアクションを起こし、有利なポジションに立つことができるはずでしょう。お客さまや上司が求めているものをいち早く察知し、それを提供する。そのような先読みができる人が結果を出すのは、サッカーもビジネスの世界も同じではないでしょうか。

2手、3手の先を読み、心理戦で優位に立つ

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試合中、頭を使って、よく考えている選手というのは、次のプレーを予測するのが難しいです。いかに先読みをするか、逆にいかに先読みをさせないか、そんな駆け引きがフィールド上で行われているのです。

正直にいえば、僕はそういう心理戦を楽しんでいる節があります。相手の裏をかいたり、次のプレーを予測してボールを奪うことができたりすると、「よし、やった!」という気分になります。反対に、敵の選手に同じことをされれば悔しいですよ。

僕はあまり感情を表に出すタイプではないので、クールな印象をもたれるようですが、誰よりも負けず嫌い。そのため、心理戦で負けるのはとても悔しいです。サッカーと同じような心理戦が繰り広げられるトランプゲームにも、ついついヒートアップしてしまうくらいですから。でも、トランプのような遊びでも、心理戦で勝つためのセンスを磨いたり、発想のヒントを得られたりすることがあると思っています。

先日、プロのマジックショーを間近で見る機会がありました。マジックには必ず、見ている人を欺く仕掛けがあります。たとえば、右手に持っているトランプのカードに観衆の視線を集中させておき、左手で欺く仕掛けを用意するわけです。相手の目線をずらすという意味では、サッカーにおけるフェイントや、視線の方向とはまったく異なる選手にパスを出す「ノールックパス」と同じです。

マジックを見ていても、自分の意識ひとつで、心理戦で優位に立つためのヒントを得ることができます。営業や商談、プレゼン、交渉などの場はいずれも心理戦のはずです。

心理戦で優位に立つためには、「先を読む力」がカギを握るわけです。もちろん、相手も先を読もうとしているでしょう。だからこそ、そのさらに先、2手も3手も先を読むことが、サッカーでもビジネスの世界でも求められているのではないでしょうか。

遠藤 保仁 サッカー選手

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えんどう やすひと / Yasuhito Endo

1980年1月28日、鹿児島県生まれ。鹿児島実業高校卒業後の1998年に横浜フリューゲルスに入団。京都パープルサンガ(現・京都サンガF.C.)を経て、2001年にガンバ大阪に加入。数々のタイトル獲得に大きく貢献し、2003年から10年連続でJリーグベストイレブンに選出され、現在もガンバ大阪の中心選手として活躍中。また、U-20日本代表をはじめとし、各年代の日本代表に選出され2002年11月に日本代表国際Aマッチデビュー。その後は、日本代表の中心選手として活躍し3度のワールドカップメンバーに選ばれる。「日本代表国際Aマッチ出場数最多記録保持者」「東アジア最多出場記録」「2009年アジア年間最優秀選手」「2014年JリーグMVP」など数多くの記録を持つ。178cm、AB型。
遠藤保仁オフィシャルサイト
遠藤保仁・公式ブログ

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