そして表面的にはグローバル・マクロ(国際的な資金循環)という形で世にその姿を現すこのネットワークの織り成す「世界史」から完全に外されているのが現在の安倍政権率いるわが国だというわけなのである。そのことは今回の出来事に直面し、「オバマ支持か否か」という枠組みだけでしか物事が考えられなかったわが国の政治的リーダーシップの面々、さらにはそのことしか報じなかった大手メディアたちによる発言・報道からはっきりとわかるのだ。
「結果としてシリア情勢は収まっていたのだから良いではないか。中東でもはや騒動は起きず、徐々に沈静化に向かうはず。後はわが国の国内政治・経済のことだけ考えれば良い。特に消費増税、成長戦略、そして何よりも2020年東京夏季五輪の方が大切だ」
読者の皆様が仮に今、そう考えているのであれば「世界史」を貫く時代精神(Zeitgeist)から間もなく大変な平手打ちを浴びることになる。詳しくは次回以降に書くとして、それまでの「宿題」として、最後にいつくかの質問を投げかけておこうと思う:
●オバマ大統領はロシアによる「提案」に同意するや否や、「これからは国内の問題に専念する」旨発言した。「景気が良くなっているはず」の米国でこれから“一体何が本当の問題”として浮上するのか。デフォルト(国家債務不履行)リスクは本当にないのか
●「化学兵器」の全部廃棄に同意したシリアのアサド大統領は米国のテレビに出演し、「化学兵器は全て差し出す。しかしそのための作業には1年かかり、しかも10億ドルほどの費用がかかる。この費用は米国に出してもらいたい」と断言した。一体何を目論んでいるのか。米国はこれを支払うことができるのか
●「軍事介入」には最初から後ろ向きだったドイツのメルケル政権は、米ロ合意後、「2002年から2006年までの間、ドイツからシリアに対して化学兵器に転用可能な化学物質を大量に輸出していた」ことを公的に認めた。なぜ今更、アサド政権への化学兵器供与について間接的に認める発言をしたのか
●今年(2013年)の国連総会を機に一気に急接近し始めているのが米国とイランである。そもそも両国が敵対関係に入ったのは1979年に発生した「イラン・イスラム革命」によるわけだが、この時、革命を指導したホメイニ師は、なぜフランス・パリから帰国したのか。またホメイニ師は「イラン人」であるはずなのにどうしてペルシア語が“不得手”なのか
●米国がイランの「核開発」について糾弾し続けてきているが、そもそも誰がイランにそのための技術を供与したのか。後のチェイニー副大統領がCEOとして率いていた米大手企業「ハリバートン」は1990年代を通じてオーストリアにあるダミー会社を経由する形で、イランで何をしていたのか
今年(2013年)秋。いよいよ「本当のこと」が次々と明らかになってくる。仕組まれた「世界史」の激動についていくことが出来るのか否か。明らかにこのエンド・ゲームから意図的に外されている私たち日本人の覚醒が、今こそ問われている。
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