「いきなりフランスから連絡があったときには、まったく気づきませんでした。まさかあれほどのランクの人物が、たった独りでこんな山奥までやって来るなどと、まったく想像していませんでしたので」
今年(2013年)秋、私はわが国の内外においてさまざまな場所に足を延ばしては、大勢の人たちと情報を交換してきた。その中で最も印象深かったことがひとつある。「合掌造り」で知られる白川郷の近くにある観光地・飛騨高山でのことだ。
飛騨高山で「社長」がもらった、謎のメール
このとき、私は彼の地で活躍するなじみの若き経済人と、老舗の料亭「精進料理 角正」で会食していた。この方は「飛騨高山から世界へ」を合言葉に、単なる町おこしを超えたグローバルビジネスをそこから構築すべく奮闘されている。その仲間の輪は着実に広がっており、このときも「男2人で食事するのも何ですから」と、彼の地で新しい観光ビジネスに取り組んでいる、ある会社の社長をご紹介くださった。
「その人物」はかつて、世界的な監査法人系コンサルティングファームの最前線で働いていた。だが、連日連夜にわたる激務の中、ふとそうした人生に疑問を抱き、自らの意思で退職。その後、世界一周の「放浪の旅」を経て、深い山間にあるこの飛騨高山にたどり着いたのだという。
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