フットサル「Fリーグ」の何とも厳しい現実 人気スポーツだが集客は危機的状況だ

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その上、2014~2015シーズンの25万9687人をピークに観客動員数は減少し続けている。選手たちは、自らSNSを通じて毎試合のように観戦を呼びかけ、試合後には一緒に写真を撮り、サインにも快く応じる。他の競技では考えられないほどの素晴らしいサービスで、ファンの満足度を高める努力を怠らない。にも、かかわらずだ。

この状況に歯止めをかけるべく選手もチームも、そしてリーグも、さらに試行錯誤を続けている。

試行錯誤が続く取り組み

今シーズン開幕前、Fリーグの90試合が、J SPORTSやAbema TVで放送・配信されることが発表された。Abema TVの参入は、ライトなファン層の拡大、観戦者数の増加、さらには新たなフットサル競技人口の増加まで期待させるものだった。「これで昨年よりは……」と思った関係者も多かったに違いない。

実際、Abema TVによるFリーグの中継は、国内最高レベルのフットサルをスマートフォンで観戦するという、今までにない新たなスタイルを提案した。複数台のカメラで作られた画と、クオリティの高い実況・解説がつくことで、フットサル観戦に新たな付加価値を提供したことは、大いに価値のあることだった。

だが、Abema TVとの協力関係をもってしても、今のところ、Fリーグの観客数増加にはつながっていない。同じアリーナスポーツであるバスケットボールB1リーグの1試合平均入場者数が2736人なのに対し、Fリーグは約1000人だ。この数字は、昨年と比べても、10パーセントほど減少している。ちなみに、Fリーグで今シーズン最下位に沈むデウソン神戸に至っては、1試合平均500人弱となり平均観客動員数もリーグ最下位だ。

Abema TVの効果がすぐに出るはずもない。少なくとも、アリーナでの観戦者数+Abema TVの観戦者数の合計で言えば、フットサル観戦者数は確実に増えているはずである。まずは、フットサルを観るスポーツとして習慣化させていくことが必要であり、今後も継続して取り組んでいくことが重要だろう。

これから先、Fリーグが発展していくためには原点回帰の必要はあると思われる。もともと、Fリーグは、発足当初、Jリーグの成功体験を模倣しようとしたリーグではなかったか。それが、今では、同じようにJリーグの成功体験を模倣したBリーグの後塵を拝し、大きく水をあけられている。であれば、Fリーグが模倣しきれなかったことを探してみるべきであろう。そうすると、リーグビジネスとしての相違点が4つほど浮かび上がる。

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