(第9回)ネゴシエーションを誤解する日本人ビジネスマン

2. 交渉は自分には関係ないとの誤解

 第二の誤解は、交渉は自分には関係なくその道の専門家がやるべきものだとのものです。確かに日本語で「交渉」を検索すると、人質交渉や企業買収交渉や離婚交渉など日常からかけ離れたものばかりで、特定の専門家(と言うよりも弁護士先生)が担うためのものである印象を拭えません。

 しかしながら、実は交渉は日々の生活に密着しているものです。
 例えば、以下の例を考えてみてください。
・今日は残業しなくてはいけないと思っていたら、妻に「結婚記念日だから今日は絶対に早く帰って来てね」と言われた。
・週末はゆっくり寝たいと思っていたら、妻にはショッピングに付き合ってと、娘にはディズニーランドに連れて行ってと頼まれた。
・今日は早く帰ろうと思っていたら、上司に今夜までにレポートを仕上げておくように言われた。
・お客様に製品を売る
・他企業とのアライアンスの協議をする
・上司との面談を受ける
など様々な場面で、(自分と他人との)意見が衝突することが起こります。

 この衝突する問題を解決する手段としてネゴシエーション(関係構築型交渉術)は非常に役立ちます。特に、相手(妻や娘や上司)の意見を自分が受け入れるにしろ、自分のなかですっきりしたうえで受け入れるのか、戦い敗れて受け入れるのかでは気分的にも大きく違うはずです。言い換えれば、自分の頭のなかで対立する両者の意見を上手にネゴシエーションできるスキル(セルフ・ネゴシエーション(自己交渉力)と私は呼んでいます)が非常に重要です。

 詳細は別の機会にお話したいと思いますが、まずは一日を注意深く観察してみることで、交渉が役立ちそうな時、自分と誰かの意見が対立している時がどんなに多いかが分かるかと思います。そして、その衝突を自分のなかでいつも上手に解決することができていれば、日々のストレスから解放されて仕事や生活をおくれるはずです。
内田隆(うちだ・たかし)
マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院経営学修士(リーダーシップ、ネゴシエーション、戦略、起業を専門に学ぶ)。更に、ハーバード大学ビジネススクール、ケネディ行政大学院にてリーダーシップや組織経営を学ぶ。
在学中300人以上の世界のビジネスリーダー、国家元首達と会い、彼等のリーダーシップスタイルを独自に研究。特にビジネスリーダーシップやWin- Win型ネゴシエーションを家庭や趣味に応用した「人生のリーダーシップモデル」を独自に構築し定評を得る。
2007年株式会社フォロードリームを創立し代表取締役会長兼CEOに就任。他人を恣意的に動かすことよりもまずは自らをリード手本を示す「セルフリーダーシップ力」で社員力を経営競争力へと変える経営戦略&リーダーシップコンサルティングや講演、研修、執筆活動など幅広い分野で活躍している。
詳細プロフィールはこちらまで
HP: http://www.followdream.jp Email: info@followdream.jp
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