「やっぱり男は肉食系」に困惑する男性の心理 その後「草食系男子」はどうなったのか

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草食系男子はコラムニストの深澤真紀さんが『平成男子図鑑』(2007)で紹介した男子のカテゴリーで、もともとは「系」をつけず、草食男子と表記されていました。深澤さんによれば、草食男子とは、「もてないわけではないのに、恋愛にもセックスにもがっつかないで淡々と女性と向き合う男子」です。「男とはかくあるべし」という考えを持っていないので、女子からすると物足りなく思われる側面があるかもしれません。それでも深澤さんは、草食男子が女性を性の対象としてではなく、人として見ているため、彼らとの恋愛には女性にとってもメリットがあると指摘していました。

草食男子に対する不満

いまでは悪口とも取られかねない草食系男子ですが、本来は旧来的な男らしさから距離を取ることができる男子への褒め言葉でした。これまで否定的な評価しかされてこなかった控えめな性格の男性にとって、草食系男子というカテゴリーの登場は歓迎すべきことだったといえます。『草食系男子の恋愛学』文庫版のあとがきで、森岡正博さんが女性にもよく読まれ、メジャーな女性誌からの取材がたくさんあったと書いているように、女性からも好意的に受け入れられたようです。そして、2009年には、草食男子・草食系男子が新語・流行語大賞のトップテン入りを果たします。

草食男子・草食系男子が肯定的なカテゴリーとして定着していれば、2017年において、けんきょさんのような悩みはなくなっているはずです。けんきょさんが今回の質問をしたら、コメント欄に「だから彼女ができないんだ!」と書かれるのではないかと気にする必要もなかったでしょう。しかし、残念ながら、先ほども述べたように、今日では消極的な男性に対する悪口的な使われ方もしています。

森岡正博さんによる『草食系男子の恋愛学』が出版される3カ月前に、『non・no』(2008年4月5日号)の特集「出会い『4月革命』に勝利せよ!」では、すでに草食男子が登場していました。草食男子の増加によってモテの基準が変わるというのが記事の主旨なのですが、草食男子に対する不満も書かれています。

「知り合いに紹介された男子と、出会って3回目で海を見に行くことに。『今日こそ新展開が!?』とドキドキしながら出かけたのに、海沿いの夕日を『キレイだね〜』とニコニコしながら見ているだけの彼。私って女として見られてないの!?と悲しくなりました」(23歳・会社員)。女性を性的にではなく、人として見ることが草食男子・草食系男子のいいところなのですから、そこにがっかりされても困ります。

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