中島:そして「BTC」という独自の通貨単位がある。このため、法定通貨(円、ドルなど)との間に交換レートがあります。小数点以下でも取引をすることができ、最少単位は0.00000001BTCという小数第8位まであって、それを1Satoshi(サトシ)と呼んでいます。
それから発行主体がなくて、誰の負債でもないというのが不思議な点です。ふつう通貨は、中央銀行が発行主体となって、中央銀行の負債として発行されていますので。あとは、「プルーフオブワーク」(PoW)という難しい計算があって、それに成功した人には報酬が与えられます。
木本:POSというのもありますもんね、先生の本を含めて、実は僕、読みまくっているんで。
中島:POS、つまり「パワーオブステークス」は、ビットコインで使われているPoWとは別のものです。よくご存じですね。
それから、取引の確定までに時間がかかり、10分ごとに新しいブロックが作成されます。発行上限が定められており、それが2100万ビットコイン。サトシ・ナカモトさんとしては、どんどん発行されるとインフレになって、通貨の価値が落ちてしまうので、それを嫌ってそうしたようです。
木本:金やダイヤモンドに例えられる部分ですね。
リバタリアンの理想がビットコイン
中島:供給に限界があるという意味では、そのとおりです。で、なぜこういうものを作ったのか。発想としては誰にも管理されず、世界中に自由に送金ができるようにしたい。これは、政府や中央銀行といった管理主体から自由になりたいということであり、アメリカを中心にした「リバタリアン」「要はなんでも自由にやって規制されたくない」という人たちの発想に基づいています。
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