フランスには日本人の言う愚妻なんていない 40代もパリジェンヌ、若さでなく成熟に価値
いつでも、どこでも女扱いされるパリ
――フランスやパリというととにかく「恋愛大国、日本も見習え」という文脈で語られます。
小津彩さん(以下、小津):フランスはよく「アムール(愛)の国」といわれますが、日常のあらゆる場所で男は男、女は女だと感じます。男性は女性をちょっとした言葉で喜ばせるのが好きで、美術館や映画館の受付の人が、女性客に対して男性の郵便局員が「あなたはキレイなので〜してあげますよ」などと、ちょっとしたサービスを加えてくれたりすることもあります。だいたいどこの機関もマニュアル対応ではなく、個人によってサービスが違うので、ストレスにもなりうるのですが。
じゃんぽ〜る西さん(以下、西):「恋愛的な空間」が特別ではないんですよね。フランスの男性は毎日うわごとのように「愛している」と言いますし、私の妻もフランス人ですが、毎朝「おはようモンシェリ」「カッコいいわ」とビズ(キス)ですよ。「あなたはすばらしい」「すごい」「あなたは私の人生の男!」とまで言われて、結婚当初は「こんな俺に……」と、ありがたいを通り越してプレッシャーにさえ感じたくらいです。
――愛されていますねえ。
西:いえ、こういうのが普通らしいんです。日常生活でも、日本人から見れば過剰なくらいに愛の言葉や賞賛の言葉を繰り返し、キスやハグでところかまわず愛情を示すのがフランス人なんです。W杯中継をスポーツバーで見ているようなときでも、得点に沸き立って、知らない人と抱き合う。僕もパリ生活で初めはびっくりしましたが、そのうちにできるようになりましたよ。
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