フランスには日本人の言う愚妻なんていない

40代もパリジェンヌ、若さでなく成熟に価値

小津:そういえばフランスには「アイドル」がいないかもしれません。ぱっと思い浮かばないので。日本だけでなく、アメリカやイギリスでもボーイズバンドやアイドルといわれるガールズグループがいますが。若さ礼賛は全世界的にあると思うので、フランスは独特の位置にあると思います。私自身、シンガポールやカナダ、オーストラリアなどの英語圏に住んだ後、フランスへ行ったので、「ラテン国はまた全然違うんだな」と驚きました。

西:絵描きの視点で言わせていただくと、日本は異常に肌信仰、ピッチピチ信仰が強いと思うんです。劣化なんて呼んでいますけれど、ハリがなくなって毛穴が目立ったり、シミやシワが出るのは当たり前。でも女性の肌を見て、それを見抜けるところに審美眼がある、なんて感覚ですよね。

「フランスの女性は老けない」って本当?

――私も以前ヨーロッパに住んでいた身から言うと、ヨーロッパって水が硬水だし湿度も低いし、本当に肌が乾燥していたので、日本にいる今のほうがはるかにシワが減った感覚があります。日本のファッション誌などではフランス女性はいくつになってもお洒落で老けない、だから食生活やファッションや恋愛観や生き方を見習え!と、やたら勧めますけれど。

西:いや、そりゃフランス女性だって老けてますよ。結構シワシワ、年相応です。でも致し方ないことですから、加齢にネガティブではない。フランス女性が老けないと言われるのは、短いスカートやビキニなど、日本なら20代やそこらの若い女性がするようなファッションを結構なおばあちゃんでも楽しんでいるのを見て、気持ちが老けないと言いたいんじゃないかな。年を取ってもそういうことができるのは、社会の受け止め方が違うから。

小津:フランスでは年齢の縛りが少ないと感じます。「●歳だから、もう〜できない」「●歳だから、〜したらダメ」というような、年齢を意識して行動を制限しないといけないという概念が、日本より少ないと思います。

じゃんぽ~る西(じゃんぽーるにし)/漫画家。祥伝社『FEEL YOUNG』にて「モンプチ」連載中。既刊に『モンプチ 嫁はフランス人』(祥伝社・フィールコミックス)、『パリ、愛してるぜ~』(飛鳥新社)など。夫人はAFP通信記者、西村・プペ・カリンさん

西:日本は女の人が自分で言うでしょう、「私みたいなのを女扱いしてくれてありがとう」なんて。32、33歳くらいの女性がそんなこと言って、どうするのかと。

小津:日本人男性も、そういうことを自分で言いますよね。32歳の人に、「もう僕おじさんなんで」と言われたことがあります。フランスには基本的に自虐の文化がないと聞きました。日本人の自虐は異色に見えるそうです。フランスのコメディアンも、自虐ではなくて、風刺などの形でよく他者を笑ってますね。この部分に、国民性の違いをとても感じます。

西:同じことで、自分のパートナーや家族を卑下しませんよね。日本では馬鹿嫁だとか愚息とかの表現が「謙虚」だと考えるからなのか、自分の家族を卑下するのが作法でありお約束。でも僕が万が一妻にそんな表現をしたら、妻は「なぜそんなひどいことを言うのか」とものすごく気を悪くします。自分のパートナーや家族を尊重しない発言は、ありえない。

小津:パリでは、女性は街に出たときに会話をした人にさり気なく褒めてもらえることが多いし、パートナーにも褒められるし。褒められると、やはりうれしいものです。

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