「ゲイは障害者だ」と訴える44歳男性の貧困

「両想いになれる可能性はゼロに近い」

ただ、あいさつを返してくれない、メールの書き方を注意されたといったささいな嫌がらせや叱責が自分だけに向けられている気がしてならないというのだ。そのたびに「ゲイであることがばれたのではないか」「何かオカマっぽい仕草をしてしまったんだろうか」と心配でたまらなくなる。いったん疑心暗鬼に陥ると、出勤するのが耐えがたかった。ユウマさんは、契約期間の満了といった表向きの理由とは別に「どこに行ってもつきまとう疎外感。これが、転職を繰り返してしまう本当の理由ではないかと思うんです」と言う。

「ああいう人たち」と同じと思われるのが嫌

LGBTなど性的少数者への理解を求めるため、毎年、行われているイベント「レインボープライド」で、派手な衣装やメークで女装したドラァグクイーンたちのことを「キモイ」と拒絶する。また、話を聞いていると、時々、「ホモ」「オカマ」といった、差別表現と批判されかねない言葉を使う。ユウマさんに言わせると、自身がカミングアアウトしないのは「近親憎悪のような気持ち。ああいう人たちと同じと思われるのが嫌だからというのはあります」。

昨今のLGBTブームに対し、「若い子たちはうらやましいなと思います。でも、もう40代の私にはなんの恩恵もない」と冷ややかだ。最近、LGBTに理解のある企業を紹介することを売りにしている求人サイトに登録したが、いまだに1件も仕事の紹介はないという。

「同性婚が認められ、差別のない社会になったとしても、私にとってはもう手遅れ。それに、私が友人たちに(ゲイであることを隠し)ウソをついてきた過去は消せません」

好きになるタイプは、ゲイコミュニティに集まるような男性ではなく、いわゆる普通の男性だという。今まで心を寄せた相手はストレート(異性愛者)が多かった。ストレートの男性に気持ちを伝えても、恋愛関係になれることはまずない。ここ15年近く、付き合った男性はいないという。一方で、学生時代の友人の多くはすでに結婚して子どもを育てている。

「彼らの幸せな暮らしぶりを聞くと、胸が苦しくなる」

もともと就職活動は大変だったが、ここ数年は年齢のこともあり、さらに厳しくなった。100社以上応募しても、面接を受けられるのは数社ほど。ついに貯金が底をつき、消費者金融などからの借金は200万円近くになった。現在は収入が途切れるたび、断続的に生活保護を受給している。ユウマさんは「生活保護を受けるまでに、成り下がってしまいました」と自嘲するように笑った。

いま、新しい仕事は決まっているが、正社員になれる保証はない。何より、職場のマジョリティたちとうまくやっていけるかわからない。不謹慎なことだとわかっているが、「明日、ミサイルが落ちて世界が終わってほしい」。そう願うことをやめられないという。

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