22歳の元名門女子大生が貧困に喘ぐ深刻事情 学費払えず退学、パジャマ姿で取材場所に

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石川さんが履いていた靴はボロボロで、かかとが潰れていた(編集部撮影)

「1年半前、大学3年の春にはバイトができなくなりました。だから病気が治るまで生活保護を受けていなさいって。病気は全然回復しません。最近は薬の飲みすぎで記憶がないことが多くて、生活保護を受ける直前は万引きで捕まりました。洗濯物を取り込んでいたつもりだったけど、それは店の商品だったみたいです。記憶がないんです」

そもそも、何をきっかけに精神科に入院したのだろうか。

「不眠が続いて、衝動的に首を吊ったからです。自分では制御できないし、正直つらいです」

統合失調症は妄想や幻覚が起こる精神機能障害、脳の病気といわれている。思考、知覚、感情、言語、感覚など、すべてに影響を及ぼし、異常な行動を起こしてしまう。服薬したからと治るわけではなく、副作用でパーキンソン症やジストニアなどを引き起こし、取り返しがつかない状態になることもある。

失恋して、衝動的に首を吊った

「自殺未遂は、彼氏に振られたことが理由でした。コンビニの店長で、しばらく連絡しないでほしいって言われた。統合失調症だから妄想が出て、トラブルがあって降格されたのかなとか、いろいろ考えた。言われたことを破って“大丈夫?”ってメールした。それで振られました。そのときは死にたいって気持ちもないのに、衝動的に首を吊りました」

具体的になにをしたのか聞く。タオルを結んでロープを作り、近くの公園に行ったという。滑り台に結んだタオルを引っかけ、首を吊った。のど元に衝撃と激痛が走って、地面に落ちた。

「どうして助かったかというと、タオルが足りなくて、途中ジャージを使ったから。ジャージ、タオルになると摩擦が少ないじゃないですか。解けてしまった。スポって抜けてバタンと落ちた。あ、失敗と思って、もう一度吊らなきゃと立ち上がったら、すごくのどが痛い。自分で救急車を呼んでレントゲンを撮ってもらったら、のどの骨にヒビが入っていました」

凄惨(せいさん)な内容に息を飲む。統合失調症は妄想や幻覚が激しくなって異常行動をする陽性症状と、無気力状態が続く陰性症状が繰り返される。現在は歯も磨く気力がない状態だが、無理して池袋まで来ている。陰性症状である。そんな状態で時間どおりにやって来たこと、それに言葉が多いことから“話を誰かに聞いてもらいたい”という強い意志を感じる。

お薬手帳に現在処方される薬があった。数えると、強い副作用がある抗精神薬も含め15種類。あまりにも多い。

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