会社を辞める時は保険も見直さないとヤバイ 3000万円超の保険を解約するのと同じ!?
しかし、大手企業でも、組合健保はどこでも同じ付加給付なのかというとそうではありません。実際はかなり差があります。1カ月の医療費の自己負担が実質2万円から3万円で済むというところは多いですが、傷病手当金が3年間も出る、というのはまれです。したがって会社を転職する際、手厚い付加給付のある組合健保の会社からそうではないところに変わると、給付の差分を民間保険で補う必要がやはり出てきます。
会社を辞め、いったん「充電する」場合は?
手厚い付加給付のある組合健保の会社を辞め、しばらく充電する、あるいは起業するという場合は、国保を選択することもできますが、「任意継続」という手続きをするのも一考です。傷病手当金は、さすがに会社を辞めるとなくなります。しかし、1カ月の医療費上限を保障する「還付金」は、そのまま維持される組合が多いのです(ただし、近年の財政悪化で任意継続者への付加給付を辞める組合もあるようです。詳細は個々のケースでご確認ください)。国保と比べるとここの部分については大きな魅力なので検討してみましょう。
その際、国保なのか任意継続なのかを選択する判断基準は、保険料です。まず会社を辞める前に、お住まい地の役所に「所得証明書」を持っていき国保に加入した場合の保険料2年分を尋ねます。任意継続は最大2年間継続でき、その間の保険料は一定ですが、国保は前年の所得に応じて保険料が決定されるため初年度と2年目では保険料が異なります。したがって2年分の保険料、つまり前年所得がある当年の保険料と、仕事を辞め所得がない状態の翌年の保険料を聞いておきます。
会社員の保険料は労使折半となっていますから、任意継続の際は、現在負担している保険料に、会社が負担している保険料を加算した金額を支払うことになります。ただし、協会けんぽも組合健保も保険料算定の上限を設けていて一定の標準報酬月額になると、それ以上の保険料の負担が不要になります。
協会けんぽの上限は28万円です。これはつまり、退職時の標準報酬月額が40万円でも50万円でも、「標準報酬月額は28万円」として保険料を計算してくれるという意味です。また、組合健保は44万円としているところが多いようです。これはこの組合健保の組合員の平均標準報酬月額としているので、組合は、協会けんぽより平均的な給与が高いのでしょう。ただし、組合健保の場合労使折半ではなく、企業側が多く保険料を負担しているので、任意継続の際の保険料は単純に2倍ではありません。
協会けんぽの任意継続を選ぶか国保を選ぶかは、両方とも法定給付ですからシンプルに保険料比較でいいのですが、組合健保の任意継続の場合は高額療養費の還付も含め、選択しましょう。
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