するとイヌ派のハナコさんも黙っていません。Dogs come to you and ask to care about them, and you can know you’re important to them.(イヌは寄ってきて、気にかけてくれとせがむから、自分が彼らにとって大切な存在だってわかる)とイヌの人懐っこさと、自己承認欲求を満たしてくれることをアピール。こちらはこんな表現に直してあげました。
(イヌは構ってほしいとせがむから、必要とされていることを感じることができる)
「必要とされたい」「求められたい」というところは、こんなふうに受動態にすると便利ですね。同じように I feel loved! と言ったら「愛されていると感じられる」という意味になって、人から優しくされて愛を感じたときなどに使えます。
ハナコさんは引っ込み思案なので、イヌのように向こうから来てくれるほうが、気が楽とのこと。するとタロウさん、からかうような表情で、
と意味不明なことを言います。イヌとネコの話をしていたので、「イヌが好きだからって、ネコをディスってるだけだろう!」のような意味にしたいのかと思ったのですが、すぐに「ネコをかぶっている」を直訳したのだとわかりました。
「ネコをかぶる」は英語でなんと言う?
タロウさんいわく、ハナコさんは自分からガンガン行けるタイプだということで、ちょっと冗談を交えてのコメントだったようですが、「ネコをかぶる」はwear a catでは通じません。
どんな英訳がしっくりくるかというのは、どういう意味で「ネコをかぶっている」を使用するかにもよりますが、研修では次のような表現を教えました。
さすがにイヌとネコをかけた冗談としては成立しないのですが、「シャイなふりをする」というact shyという表現がいいのではないでしょうか。
このほかにplay innocentという表現もあります。innocentには「無罪」という意味があり、play innocentで「しらを切る(無罪のふりをする)」という意味になります。「事情を知っているのにとぼける」の意味で「ネコをかぶる」と言うときはこちらのほうがピッタリでしょう。
オフィスに戻ってから、同僚のネーティブたちに「ネコをかぶる」の意味を説明して、もう少し近いニュアンスの表現が英語にないか聞いてみたのですが、なかなかこれという表現が思いつかない様子でした。
play dumbという表現が出てきましたが、これもplay innocentと同様に「しらばくれる」という意味です。より口語調な表現ですので、一緒に覚えておくと便利だと思います。
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