女性が「婚活男」と付き合えないと思うワケ

「誘えない」か「猪突猛進」かのどちらかだ

手をつなぎ初めてのキスをしてみたら、彼に違和感を覚えるようになった。

「顔を近づけてきても首を曲げないから、鼻と鼻がぶつかってしまった。歯もぶつかって、ガチッとか音がして、ムードも台なし。まったくドキドキしなかった。たぶん彼にとって初めてに近いキスだったんじゃないかと思うんです。で、キスしてからは、どうも理解に苦しむところがたくさん出てきた」

「恋愛経験」のギャップがありすぎる

まずメールの内容がガラリと変わった。「宏美さんのことを考えると、もんもんとして夜も眠れない」「キスしたときの唇の感触が忘れられない」「強く抱き締めたい」などなど。

次のデートの待ち合わせ場所に行ったときには、大勢の人がいる前でいきなり抱き締められた。食事を終えて駅まで歩いて行く道すがらは、人気のない路地に入っていき、また抱き締められ、キスされ、体中をまさぐられた。

「急に私に猛進してくるようになったというか。その行動一つひとつに余裕がない気がしたんです。そんなことを冷静に考えている自分と彼との間には、なんだかすごい温度差を感じるようになって」

翌週のデートは、お台場に行った。

「観覧車に乗ったんですね。観覧車の中でずっと手を握られていて、頂上に差し掛かったところでキスされたんですけど、観覧車の中で逃げ場がないと思ったら体がこわばっちゃって。1周回る時間をあんなに長く感じたのは、初めてでした」

誠実で優しくて、ジャズが好きなところは一緒。趣味でピアノを弾き続けることにも理解を示してくれている。彼と結婚すれば、平和で円満な結婚生活が送れることはわかっていた。人としては尊敬できるし信頼もできる。でも、どうしても男として好きになれない自分がいた。

「過去に付き合ってきた人とは、手をつないだりキスしたりすると、ドキドキしたし、すごく幸せな気持ちになれたんですよ。観覧車から降りてからは、もう手をつなぐのも嫌で、並んで歩くときにわざと彼側にバッグを持って、手がつなげないようにしてしまいました」

考えた末、自分の気持ちにはウソはつけないと、彼には交際終了を出した。

宏美は思いつめた顔で言った。

「この年になると、普通に生活していたらまずは出会いがない。そうかといってこれから先、婚活で出会う男性たちを、私は好きになれるのかなって。お見合い市場にいる男性って、交際に入っても女性を誘えない人か、こちらの反応はお構いなしにガンガン押してくる人か、その両極端な気がするんですよね」

私は宏美に言った。

「確かにその2つのタイプが多いですね。ただ、仲人の経験則から言えば、2つのタイプは、結婚できるかできないかが大きく分かれるの。交際に入ったのに女性を誘えない男性は、まず結婚できない。会わなければ人はわかり合えないんだもの。『誘われるのを待ってないで、女性からも誘え』という人がいるけれど、動けない男性というのは、女性側がメールを入れてもレスがとても遅い。女性側の動きへの反応も鈍い。そのうちお互いのテンションも下がってしまう。だけど、不器用でもガンガンに押してくる男性は、その一生懸命さを“愛おしい”と女性側が思えることもある。それはもう理屈ではなくて、男女の相性なんですよ。そう思えたら結婚できるんじゃないかな」

そして、私はかつて成婚退会をした岸田美和子(当時35歳、仮名)の話をした。入会し、20回の見合いをした後、美和子は宏美とまったく同じことを言った。「ここでお見合いをしていて、私が好きになる男性が現れるんでしょうか?」。

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