北朝鮮で食べられている「人造肉」とは何物か 黄土色の帯状にされた「インジョコギ」とは?

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非公式市場の普及はまた、北朝鮮経済の正確な把握を困難にしている。したがって、制裁が一般市民にどれくらい悪影響を与えているのか知ることは難しい。北朝鮮の食糧品輸入は制裁の対象外となっている。

北朝鮮政府は、制裁によって同国の子どもたちの命が危険にさらされていると主張する。今年はトウモロコシが不作だったため、地方では食糧不足に陥っていると、脱北者らは語る。支援団体はこうした状況を把握できずにいる。

北朝鮮は、国民の7割が主な食糧源としていまだに国家配給システムを使用しているとしている一方で、国連は同じく7割の北朝鮮国民が「食糧不足」に陥っていると予測している。

しかし各調査や脱北者の証言は、大半の北朝鮮人にとって、民間市場が主な供給源となっていることを示している。

国連の世界食糧計画(WFP)や食糧農業機関(FAO)によれば、必要とされる以上の食糧が北朝鮮に届けられている兆しはないという。「主な問題は、主食がコメかトウモロコシ、キムチと味噌といった変化に乏しい食事には、必要不可欠な脂肪やタンパク質が不足していることだ」と、これら機関は声明で指摘している。

食糧供給は近年改善

韓国中央銀行によると、北朝鮮経済の成長率は昨年3.9%で、17年ぶりの高い伸び率を記録。多くの経済先進国よりも高かった。

その主たる原動力は、鉱業や市場改革、そして世界最大級の経済国である隣国、中国との貿易だ。北朝鮮で慢性的な飢きんが発生する兆しを最近では2013年に目にしたが、複数の脱北者によると、食糧供給は近年改善されているという。

脱北者8人はロイターに対し、韓国で人々が食べているのとほぼ同じものを北朝鮮で食べていたと話した。食品を保管する棚の中身について尋ねると、彼らのほとんどが、個人で育てた野菜や地産のコメやスナック菓子、また、貧しい人の場合はより安価なトウモロコシが棚を占めていたと語った。

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