衆議院議員総選挙が終わり、第4次安倍晋三内閣が発足しました。総選挙のマニフェストには「子育て支援」の財源を消費税アップで賄うことが発表され、選挙後には、保育所整備に向けた企業拠出金の増額が検討されています。
一方、「選挙の顔」として大活躍だった小泉進次郎氏は、子育て世代への支援策として「こども保険」を提案しています。この政策を提言した「2020年以降の経済財政構想小委員会」(委員長代行:小泉進次郎)のオブザーバーを務め、その議論の推移をまとめた『人生100年時代の国家戦略――小泉小委員会の500日』を執筆した藤沢烈さんに、なぜ「こども保険」が必要なのかについてうかがいました。
地方にも待機児童問題は起こっている
木本:前回は、こども保険の概要について伺いました(小泉進次郎が推す「こども保険」って何ですか)。今回はなぜ「こども保険」が必要なのかを伺います。
僕の実感として、地方と都市部では子育ての意識が違うと思います。『そして父になる』という映画は観たことがありますか? 子どもが入れ違ってしまう話ですが、都心のエリートサラリーマン家庭は一人っ子で、地方の自営業家庭は3人兄弟というところに、リアルさを感じたのですが。
藤沢:福山雅治とリリー・フランキーが熱演していましたね。
木本:あれが、現状ではないかと思うんです。だから日本全国で考えると、「子ども保険、必要だな」と納得できる地域と、そうでない地域の差が出ませんか。
藤沢:私は普段の仕事で東北の復興支援のお手伝いをしています。岩手の釜石や福島の南相馬でも待機児童がいます。働きたい女性は地方でも増えています。じゃあ、すぐ隣のおじいさんおばあさんに預けられるかというと、なかなかそうはいかない。日本全国がミニ東京化しています。待機児童問題は、決して東京だけのものではなくて、全国共通の問題です。
木本:『そして父になる』は極端なイメージで、意外と現状は違うと。
藤沢:あの映画は2013年公開ですね。当時とはどんどん変わっているのでは。
木本:まだ入りやすそうなイメージがあるだけで、地方にも待機児童が多いと。
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