人生100年会議、事務局と首相に微妙なズレ そこから建前と本音が透けて見える

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安倍首相は「人生100年時代」をどこまで真剣に考えているのか(写真:©SPUTNIK/amanaimages)

9月11日、首相官邸で、人生100年時代構想会議の第1回会合が安倍晋三首相も出席して開催された。8月3日の内閣改造で「人づくり革命」を新たなキャッチフレーズに掲げた安倍政権。寿命が100歳を超えることが珍しくなくなる「人生100年時代」に、人々がどのように活力をもって時代を生き抜いていくか、そのための経済・社会システムはどうあるべきかを考えることが、人づくり革命の根底にある大きなテーマと位置づけている。

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こうした社会システムを実現するため、政府が今後4年間に実行していく政策のグランドデザインを検討するために設けられたのが、「人生100年時代構想会議」であるという。

第3次安倍内閣では、アベノミクスの第2ステージの中で「一億総活躍社会の実現」を掲げ、2015年10月の第1次改造では、一億総活躍担当大臣を新たに設置。一億総活躍国民会議での議論を経て、2016年6月には「ニッポン一億総活躍プラン」を閣議決定した。

それを受けて、2016年8月の第2次改造では、働き方改革担当相を新たに置き、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジとして、「働き方改革」の議論に着手した。多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組むことを目指し、2017年3月に「働き方改革実行計画」が取りまとめられたのである(同計画自体は閣議決定されていない)。

一億総活躍、働き方改革、人づくり革命…

今年8月の第3次改造においては、人づくり革命担当相を新たに置き、前述のように人づくり革命、人生100年時代構想の議論を始めた。ちなみに、現在の第3次安倍第3次改造内閣では、茂木敏充氏が人づくり革命担当相だが、一億総活躍担当相には松山政司氏、働き方改革担当相には加藤勝信氏と、先の2担当相は引き続き設けられている。

確かに、首相官邸のまとめによれば、一億総活躍社会の実現から働き方改革、そして、人づくり革命・人生100年時代構想へと、一連の流れの中で政策立案をしている整理となっている。ただ、目先の関心を引く政策案件を食い散らかしているだけで、わが国の社会を本質的に変革するものにつながるのか、疑問視する向きもある。

今般の人づくり革命・人生100年時代構想が、何を目的とし、どのような議論の成果がわれわれにもたらされるのだろうか。

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