民進党は前原代表でも「保守」になり切れない 日本政治におけるリベラルの定義は曖昧

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民進党代表選では前原氏(右)が新代表に決まったが、「保守」と「リベラル」の立ち位置は混沌としている(写真:共同通信社)

日本政治における「保守」と「リベラル」に、どんな差異があるのだろうか。これは、民進党だけでなく、自民党内でも、目下よくわからなくなってきている。

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9月1日、民進党代表選が行われ、前原誠司氏が新代表に選出された。今般の民進党代表選は、保守系とされる前原氏と、リベラル系から支援を受ける枝野幸男氏の一騎打ち、という見方でとらえられた。

アメリカ政治でも、「保守」対「リベラル」の構図でとらえられることが多い。「保守」の議員や支持者が多い共和党と「リベラル」の議員や支持者が多い民主党。アメリカ政治を単純化していえば、保守寄りの共和党は「小さな政府」を志向し、減税政策を好むとともに財政規模の拡大や政府の市場介入を嫌う一方、リベラル寄りの民主党は「大きな政府」を志向し、所得再分配政策を好むとともに、政府が市場や民間に介入することを良しとする。このように政党の立ち位置と政策志向はかなり一致している。

保守とリベラルが混在している日本政治

それになぞらえて、日本政治においても、「保守」対「リベラル」の構図を援用することがあるが、その構図は有権者にどんな差異を示してくれるのだろうか。日本政治では、アメリカの共和党や民主党の立ち位置に近い有権者や政治家もいるが、そうした整理では収まらない政策志向を持つ有権者や政治家も結構多い。

また「保守」も「リベラル」も、その定義について政治学的にもさまざまに議論があり、両者は対立する概念ではないのだが、現実の政治情勢に当てはめると、必ずしも学術的な定義とぴったり合致するわけではない。

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