安倍自民vs小池希望、どこに注目するべきか 社会保障で見えない与野党の違い

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「希望の党」設立会見で気勢をあげる小池百合子都知事。消費増税をどうする?(写真:ロイターー共同)

2017年9月25日。この日は、激動の始まりの日と、後世、呼ばれることになるかもしれない。安倍晋三首相は記者会見で衆議院の解散・総選挙を予告し、小池百合子東京都知事は、新党「希望の党」の立ち上げを宣言した。ここを起点に、10月22日の衆議院総選挙に向けて、政権選択選挙の色彩が日増しに濃くなった。以下は現時点での選挙情勢に基づく。

当初は、内閣支持率を回復した安倍内閣が主導権を握り、議席を減らしても自公連立政権は維持されるという予想が出ていた。しかし、民進党の前原誠司代表が、民進党を事実上解党し、小池代表が率いる希望の党へ合流することとなって、事態は一変した。安倍内閣の継続を支持するか、あるいは希望の党を中心とした非自民・非共産の野党連合が推す人物(場合によっては小池代表)を、次の総理大臣にするか。

自公で過半数割れなら首相退陣へ

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憲政の常道からすれば、第1党の党首が首班となり、内閣を組織する。今回の衆議院総選挙の焦点は、どの党が第1党となるかだ。ただ、1993年の細川護熙内閣のときのように、比較第1党は自民党だったが、過半数に及ばず、非自民連立政権を樹立し、その首班に第5党の日本新党の細川代表が指名された場合もある。

安倍首相は9月25日の記者会見で、勝敗ラインを自民党と公明党の両党で過半数と明言した。獲得議席が過半数を割り込むと、安倍首相は退陣する可能性が高い。ただ、そうなったときに次の首相は誰になるか、現時点では全く予断を許さない。かなり自明な争点は、安倍内閣の継続の是非といえる。自公両党で過半数を確保できれば、安倍内閣は継続するし、そうでないなら、退陣するだろう。今回の衆議院総選挙は、小池都知事が衆議院選挙に出馬しなければ、安倍首相の信任投票の様相がある。

ただ、自公両党の獲得議席が過半数を割ったとしても、両党が引き続き与党に留まる可能性はある。自公両党に加えていくつかの野党や議員が連立政権に加わることが想像されるからである。自公に、いくつかの野党や議員が加わることで過半数を得られれば、連立政権が樹立できる。特に、希望の党を中心とした野党連合が急ごしらえであるゆえ、選挙後に自公両党からの切り崩しにあうことは否定できない。

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