「安倍首相は2年未満で退陣」というジンクス 今は北朝鮮と民進党が「助けている」だけ?

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外遊で忙しい安倍首相。内閣支持率は決して高くないが、かえって「弱い安倍首相」のほうがマーケットには安心かもしれない(写真:ロイター/アフロ)

まことに奇妙な夏が過ぎ去ろうとしている。首都圏では、8月に夏らしい青い空をいったい何度見たことだろう。残暑の9月に入ってからも、毎晩エアコンを入れずに窓を開けて寝られる日々が続いている。コンビニの店頭にはおでんが並んでいるし、女性誌の表紙にはトレンチコートが紹介されている。お陰で電気代は安くて済むし、身体的にも楽でありがたいのだが、どうにも落ち着かない不思議な天候である。

「反アベノミクス論」は力強いが「増税路線」に嫌な予感

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今年の夏は、2012年末に安倍晋三氏が首相として再登板してから5度目の夏に当たる。アベノミクスもこれで5年目と言うことになる。

ひとつの経済政策が、これだけ長期間にわたって続けられることもめずらしい。普通、間違った方針や失敗した政策は速やかに忘れられていくものだから、これだけ長く続いていることはそれ自体が成功なんじゃないか、などと筆者はゆるーく考えている。

ところが最近は「反アベノミクス論」も少しずつ増えている。「東洋経済オンライン」ならぬ本誌の『週刊東洋経済』8月12日-19日合併号の巻頭コラムでは、小峰隆夫・大正大学教授が「もはやアベノミクスではない」と問題提起している。

小峰氏の論旨は以下のようにシンプルで力強い。まず、アベノミクスという呼称を使う必然性はなくなったと断言する。その理由は3つ。①量的・質的緩和、マイナス金利など日銀による実験的な政策が行き詰まり、むしろ副作用の方が明瞭になりつつある。②長期の景気拡大が続き、ほぼ完全雇用が実現しているのだから、非常時型の対応は適切ではない。③アベノミクスに含まれていない財政再建や社会保障改革の方が重要課題になっている、からである。

ゆえに正統的な経済学の考え方に基づいて、国民に負担を求めつつ、財政・社会保障の持続性を確保せよ、と説く。アベノミクスへの消極的支持者である筆者としては、これに対する有効な反論を思いつかない。ただしこれから財政再建を急げという話を聞くと、「いつか来た道」との嫌な予感も走る。

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