「安倍首相は2年未満で退陣」というジンクス 今は北朝鮮と民進党が「助けている」だけ?

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アベノミクスはすでに4年半も続いている。経済誌などでその検証論議が増えるのは当然のことだ。しかし、「もはやアベノミクスではない」というフレーズに迫力があるのは、「安倍政権もそう長くはない」という見方が徐々に増え始めているからだろう。安倍晋三氏が首相の座を去ったら、アベノミクスも終わるんじゃないか。仮に自民党内で後継政権が誕生して、今の経済政策を引き継いでくれたとしても、少なくとも「アベノミクス」とは呼ばれなくなるだろう。

思えば安倍政権は、わが国としては破格の長期政権である。2006年から2007年にかけての第1次安倍内閣の日々を合算すると、安倍晋三氏の首相在職日数は2084日(9月9日現在)となる。すでに小泉純一郎(1980日)や中曽根康弘(1806日)の記録はとっくに超えて、戦後の首相では佐藤栄作(2798日)と吉田茂(2616日)に次ぐ歴代第3位となる。

「北朝鮮」と「ふがいない野党」で浮上する内閣支持率

これだけ政権が長期化すると、さすがに国民の間には「飽き」や「疲れ」が出てくる。また政権内には「馴れ」や「驕り」も出てくる。実際に麻生太郎副総理兼財務大臣と菅義偉官房長官が不仲だとか、今井尚哉総理秘書官と谷内正太郎国家安全保障局長の間に対立があるとか、いろんな噂が飛び交っている。そうかと思うと『文芸春秋』10月号では、今まで「安倍総理べったり」と呼ばれていた岩田明子NHK解説委員が、「安倍総理『驕りの証明』」なる手記を寄稿している。まあ、実際に読んでみると、手の込んだ応援演説のようでもあるのだが。

今年の夏は内閣支持率が約20ポイントも急落し、不支持率が支持率を上回って安倍首相とその周辺が慌てふためくことになった。「モリ/カケ疑惑」あり、PKO日報問題あり、稲田朋美前防衛大臣の不適切発言など、政権の足を引っ張る事態が相次いだからだ。

しかし、夏の終わりとともに内閣支持率は底打ちして、安倍政権は危険水域を脱しつつある。その理由として、①「景気が悪くない」(今年4-6月期のGDP成長率2次速報値は年率2.5%と好調だった)、②株価もそれなりの水準(日経平均株価1万9000円台)、③8月3日の内閣改造が「まあまあ好評」であったこと、などを挙げることができる。

ただ、それ以上に決定打となったのは、④「北朝鮮の脅威」と⑤「不甲斐ない野党」という毎度おなじみの組み合わせであろう。8月29日に発射された弾道ミサイル、9月3日に行われた6度目の核実験は、北朝鮮の脅威がリアルなものであることをまざまざと見せつけてくれた。いつものことながら、北朝鮮の金王朝は安倍首相の強力なサポーターであるらしく、今回も絶妙なアシストを決めてくれた。

安倍さんはトランプ大統領と何度も電話会談したり、ウラジミール・プーチン大統領に対北朝鮮制裁への協力を求めたりで忙しい。13日からはインドに飛び、その次の週はニューヨークの国連総会で演説するのだとか。すっかり「水を得た魚」モードである。

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