小泉進次郎氏の「こども保険」、なぜ必要か?

経団連の社長たちに「年金返上」を求めた理由

藤沢:地域によっては、お母さんが育てるのが当たり前でしょ、という見えない圧力もあります。東京のように夜遅くまで働くことは少ないのですが、昼間に気楽に預けられるようにできるといいですね。

木本:こども保険によって、待機児童を減らす以外に、理想も入れるとどんなことができますか。

藤沢:簡単に増やすことはできませんが、予算を増やすとすると、いろいろなことに使えます。1つ議論しているのは児童手当。子どもが生まれたらもらうものですが、1人目はそこそこもらえるけど、2、3人目だって大変ですから、そこにも上乗せしようというようなやり方を考えています。

待機児童解消には4000億円かかります。0.2%の負担で総額が6800億円ですから、残り2800億円ありますね。現在600万人が未就学児なのですが、この方たちの児童手当を4000円加算して、その財源で賄おうというプランがあります。認可保育所に入ると月に2万~3万円の負担になるので、多少の負担軽減にはなります。もう少し増えれば保育料の無償化も目指せます。

木本 武宏(きもと たけひろ)/タレント。 1971年大阪府生まれ。1990年木下隆行とお笑いコンビTKOを結成しツッコミを担当。2006年、東京へ本格的進出。S−1バトル優勝、キングオブコント総合3位などの受賞歴がある。現在は、ドラマやバラエティなどピンでも活躍中。最近ライザップで肉体改造に成功。今度は知力を改造して新境地を開く野望を持っている(撮影:尾形文繁)

木本:子育てに関する費用負担を全般的に減らすのがこども保険というわけですね。

藤沢:高齢者になって大変な思いをしている人を支えるのも大切なことなんですが、子どもも大事なので補おうというものです。

木本:高齢者への補償が薄くなることはない?

藤沢:こども保険が導入されても、高齢者への支給が減ることはありません。

木本:高齢者のため、子どもたちのためという部分の連鎖はどう考えていますか?

藤沢:1950年には12人の労働世代で1人の高齢者を支えていたのが、今は2人で1人の高齢者を支えるような形になっています。子どもを産みやすい環境になり、子どもが増えれば、高齢者を支えやすくなるというつながりがあるのです。

次の世代への投資という意識を

木本:子どもを増やさないと、われわれが年取ったときに支えてくれる人がいないということですものね。

藤沢:自分の子どもではないとしても、生まれてくる子どもたちは、保険料を負担してくれたりして、僕らを支えてくれます。「自分の子どもじゃないのになんで480円負担しなければいけないの?」という方がいます。そんな方には「待ってください。老人になったら支えてもらうんですよ。だから大変な思いをしている子育て世代を支援しましょう」と伝えたいですね。

木本:子どもへの投資というか……。

藤沢:次の世代への投資です。日本が新しい時代になっていかなければならないときに、自分にすべてのメリットが来るわけではないけれど、これから僕らが高齢者になったときのための保険というだけでなくて、この社会がちゃんと維持される仕組みにも投資していきましょう、ということなんです。

次ページシングルマザーの貧困率は日本が世界ワースト1位
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 西村直人の乗り物見聞録
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 仲人はミタ-婚活現場からのリアルボイス-
  • 新型コロナ、「新しい日常」への前進
トレンドライブラリーAD
人気の動画
スバリスト、トヨタ購入者とまったく異なる嗜好
スバリスト、トヨタ購入者とまったく異なる嗜好
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
「料理が突然、上手になる」たった1つの簡単秘訣
「料理が突然、上手になる」たった1つの簡単秘訣
実家が迷惑施設化「7戸に1戸空き家」日本の大問題
実家が迷惑施設化「7戸に1戸空き家」日本の大問題
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
持たざる国・日本に大激震<br>エネルギー危機が来る

脱炭素の移行期に化石燃料の争奪戦が勃発。天然ガスの価格は歴史的な急騰を記録しました。余波はサプライチェーンの混乱から世界経済の後退懸念、原発待望論まで広がります。資源小国の日本が生き残る道はあるのでしょうか。

東洋経済education×ICT