党大会「居眠り江沢民」から読む中国の近未来 元中国大使が断言「習近平の3期目はない」
江沢民、胡錦濤の影響力の終焉
5年に1度の中国共産党大会(正式には中国共産党第19回全国代表大会)が10月18日から24日まで北京で開かれた。党大会が中国の今後の針路を決める最高意思決定機関であることは、いまさら言うまでもないだろう。
ただし、今回の党大会を一言で表現するならNothing New(新しいことは何もない)だ。軍の近代化も、反腐敗運動(粛清)も、これまでにやってきたことであり、中国建国100年に当たる2049年に向かっての「社会主義の現代化強国」の建設も、新しい路線というわけではない。これまでやってきたことを、これまで以上にやるということで、特に目新しいものは何もなかった。
それでも、わずかながら注目することはあった。今回の党大会では、冒頭の習近平国家主席(共産党総書記)の3時間半に及ぶ長い演説が日本でも話題となった。ここで私が注目したのは演説の中身ではなく、演説中および演説終了後の2人の長老の態度である。
演説のあまりの長さに江沢民元主席は途中で居眠りをはじめ、胡錦濤前主席は演説終了後の習近平に向かって不満げに自分の腕時計を指さす仕草をした。2人とも、習近平がこんなに長い演説をするとは、あらかじめ知らされていなかったことが、この態度からうかがえる。
そんなことはありえない、と思われるかもしれないが、関係者に聞くと、習近平は大会冒頭の演説に関して、長老の2人には何も事前に相談をしなかったように思われる。もし、初めから長い演説をすることを知っていれば、江沢民は眠気覚ましの準備をしただろうし、胡錦濤は演説後に時計を示す必要もなかったであろう。
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