首相も視察した資生堂の企業内保育所とは? 10年先を行く、資生堂の育児支援制度

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国内従業員の83%が女性

――資生堂というと女性社員が多い会社というイメージがあります。まず企業概要と女性の比率などを教えてください。

資生堂の創業は明治5年(1872年)で今年142年目を迎えた、現在は本社を除くグループ会社は104社あり、2013年3月期連結売上高は6777億円だ。グループ従業員数は国内2万5300人、海外2万2800人。

そして国内従業員の内訳は男性4300人、女性2万1000人で、83%が女性だ。女性の職種で最も多いのはビューティーコンサルタントと呼ばれる美容職で1万人強、約4割を占めている。平均勤続年数は男性18年、女性15.2年となっている。

「育休3年」は1990年に導入

――安倍首相が5月に資生堂を視察されましたが、女性活用施策に関心を持ったからだと思います。久保さんは、ダイバーシティ推進グループのリーダーですが、まず育休について教えてください。

先ほどお話したように資生堂の従業員の8割は女性、お客様の9割も女性。したがって女性の活躍支援は必然だ。政府は女性活用について施策を打ち出しており、安倍政権は「育休3年」を産業界に要請したが、資生堂が満3歳になるまでの希望する期間に休業を認める「育児休業」制度を導入したのは1990年10月だ。翌1991年10月には子供が小学校に入学するまで1日2時間以内で勤務時間を短縮することができる「育児時間」制度を導入した。

介護についても1993年4月に、介護のために1人の家族につき原則として1回につき1年以内、通算3年以内休業できる「介護休業」制度、介護のために1日2時間以内で勤務時間を短縮することができる「介護時間」制度を導入している。

たぶんこの種の女性支援制度の導入時期としては極めて早いと思う。そして1998年には女性の活力を最大化することを目的とした「女性エンパワーメント2000」がスタートしている。

2000年代に入ってからも仕事と育児の両立支援策の強化を続け、2005~06年に第1次男女共同参画行動計画、2007~09年に第2次行動計画、2010~12年に第3次行動計画を実施してきた。

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