「ダラダラやる子」を劇的に変える時計活用法 時間管理が自分ででき、学力もアップする

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次に、勉強への取りかかり自体を早くするためにストップウォッチを使ってみました。次男は夕食前に勉強することにしているのですが、以前は夕方5時のチャイムで遊びから帰ってきてから、なかなか勉強を始められませんでした。そこで、遊びから帰ってうがいと手洗いを済ませた時点で、「さあ、今から勉強の用意をして、鉛筆が持てるまで何分かかるかな? ストップウォッチで計るよ。用意、ドン」とやってみました。すると、鉛筆が持てるまで45秒でした。

それから毎日計るようにしたら、しばらくは毎日新記録が出続けました。最終的には10秒前後に落ち着いていて、もうこれ以上早くするのは物理的に不可能という状態です。昨日は10.38秒、今日は10.57秒など、10分の1秒とか100分の1秒レベルの違いで盛り上がっているそうです。

さらにうれしいことがあって、弟の様子を見ていた中学生の長男も、自らストップウォッチとタイマーを使い始めたそうです。長男のやり方は、タイマーを使って30分勉強したら15分休むというサンドイッチ方式が多いそうです。同じくタイマーを使って、筋トレ10分、夕食30分、食後のゲームやスマホが60分、趣味の観葉植物の世話が10分、朝の登校の仕度が4分30秒などとやっているとのことです。

生活に変化が

そして、次男も4年生になった頃から自分で工夫をし始めました。朝、目覚まし時計で目が覚めたら、すぐタイマーを3分にセットして、タイマーが鳴ったらすぐ布団から出るようにしています。目覚まし時計だけでは無理だけど、自分のお気に入りのマイタイマーだと頑張って起きられるそうです。遊んだものを片づけるときは「3分で片づける。用意、ドン」、翌日の仕度をするときは「4分で明日の仕度。用意、ドン」です。最近では、自分でドリルや通信教材の問題を枠で囲んで小分けしたりもするそうです。

今、Eさんは言っています。「ストップウォッチとタイマーを使い始めてから、子どもたちの生活はかなり変わり、とてもうれしいです。ただ、正直なところ『今の子は本当に忙しいな。これでいいのかな』と思うこともあります。でも、同時に『まあ、仕方がないか。ダラダラするのを見て叱り続けるよりいい。それに、やるべきことを集中してやれば、自分の時間も生み出せるから』とも思います」

なお、子どもに自分専用のストップウォッチとタイマーをあげると、使いこなすのがうまくなります。選ぶときは子どもが使いやすいものを選んでください。子どもは、操作が難しかいとか文字が小さくて見にくいなどのちょっとした理由で、苦手意識を持ってしまうこともあります。

また、タイマーはデジタル式のものが多いですが、アナログ式のものもあります。「タイマー アナログ」をネットで検索すれば出てきます。アナログ式は、残り時間の量が視覚的にとらえやすいという長所があります。反面、60分計が多いということと、秒単位の数字が出てこないという2つの理由で、5分以下の短い時間は計るのには向いていません。ぜひ、グッズも工夫しながら試してみてください。

親野 智可等 教育評論家

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おやの ちから / Chikara Oyano

長年の教師経験をもとにメールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発行。読者数は4万5000人を超え、教育系メルマガとして最大規模を誇る。『「自分でグングン伸びる子」が育つ親の習慣』など、ベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても知られる。全国各地の小・中学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会でも大人気。ブログ「親力講座」もぞくぞく更新中。講演のお問い合わせとメルマガ登録は公式サイトから。Xで毎日発信中。

 

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