シャープがこだわる「8Kテレビ」に他社は冷笑

鴻海の支援でV字回復、液晶事業に懸けるが…

鴻海の後ろ盾を背に、シャープの業績は今急激に回復している。10月27日に東京・幕張で行われた2017年4~9月期決算説明会の場で、野村副社長は「四半期純利益は、リーマンショック以前の水準にまで回復した」と自信を見せた。

売上高は前年同期比21.3%増の1兆1151億円、営業利益にいたっては、同7900万円から405億円へと、516倍にも拡大。454億円の赤字だった純利益も前期から一転、347億円の黒字で着地し、2017年度通期の業績予想を上方修正した。

ディスプレー事業が急回復

中でも目覚ましい回復を見せたのが、売上高の約半分を占め、液晶テレビやディスプレーなどで構成される「アドバンスディスプレーシステム」事業だ。前年同期と比べて、売上高は45.9%増、さらに146億円の赤字だった営業損益は163億円の黒字となっている。

ディスプレー事業は親会社の鴻海精密工業の支援もあり、急回復している(撮影:今 祥雄)

ディスプレー事業が急回復した要因について野村副社長は、「(部門売上高の3分の1を占める)液晶テレビ事業は価格下落の影響があったが、中国での販売網が拡大した。欧州やアジアでも売り上げが伸び、黒字を維持することができた」と語る。中国現地での拡販にあたっては鴻海の営業力を投入しており、その成果が出始めているという。

足元で好調なディスプレー事業でさらなる成長への弾みをつけたい。そこで、まだ誰も参入していない8Kの市場で勝負をかけようというのだ。

だが、8Kテレビ市場の将来性は未知数だ。IHSマークイットテクノロジーの鳥居寿一シニアディレクターの試算によれば、2018年の8Kテレビの市場は全世界で126万台、2021年に290万台となっている。だが2021年の世界のテレビ市場全体は2億4800万台が見込まれており、8Kはわずか1.1%程度に過ぎない。

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